34歳のロディオノワが史上最年長でトップ100入りを達成! 感想は「10年ほど遅かったような気がする」<SMASH>

女子テニスツアー「タイ・オープン」(1月29日~2月4日/タイ・ホアヒン/ハードコート/WTA250)で準々決勝に進出したアリーナ・ロディオノワ(オーストラリア)が、今週2月7日付の世界ランキングで97位となった。34歳52日という史上最年長でのトップ100デビューである。これまでの記録、ツィポラ・オボジール(イスラエル)の33歳306日を上回った。

今から14年も前の2010年1月にトップ200に到達していたロディオノワだったが、そこから100位の壁はとてつもなく分厚かった。ツアーレベルで最初のベスト8進出を果たした17年には、当時のキャリアハイ116位を記録したものの、それが長らく天井だった。ロディオノワはこう振り返っている。

「10年ほど遅かったような気がするけど、突破できるに越したことはないわ。去年はものすごく頑張ったから、ここにいるのは当然だと思う」

そう自負するのも、昨シーズンの戦績を振り返れば納得だ。

転機は一昨年に負った手首の故障だった。これで6カ月以上の戦線離脱を強いられた彼女は、翌23年シーズンの全豪オープン予選にプロテクトランキングで復帰した時、306位にまで沈んでいた。

だが、ここからの逆襲が凄まじかった。全豪の直後からITFツアーの転戦を始めると、さっそく2月のオーストラリア・スワンヒル大会(W25)で優勝。4月にイギリス・ノッティンガム大会(同)で2連勝し、8月にはスペイン・バルセロナ大会(W60)も制覇するなど、シーズン中に7つのタイトルを獲得した。

特に終盤は快調で、11月にポルトガル・ロウサダ大会(W25)、12月にスロバキア・トルナヴァ大会(W60)を制し、最後までフルスロットルで走り抜けた。フィニッシュ時のランキングは114位だ。
しかも、このタフな再挑戦はコーチなしの孤独な戦いでもあったという。

「良いコーチが見つからなかったので、コーチなしでやることにした。ただ、自分に合っていると思ったので、今年はこのやり方を続けることにした。ツアーには友達がたくさんいるし、それはとても助けになる」

新シーズンに入ってからも開幕戦の「ブリスベン国際」2回戦でソフィア・ケニン(アメリカ/37位)を破って好調ぶりを印象づけると、当初の目標だった今年の「全豪オープン」メインドロー入りこそ果たせなかったが、順調にポイントを積んで100位の壁を打ち破った。

タイ・オープンで準々決勝進出を決めた後、Xには自身のトップ100突破を報じたニュースを引用してこう投稿している。「Never give up, I guess?」。

34歳の次なる目標は、「全仏オープン」と「ウインブルドン」のメインドロー。諦めることを知らない彼女なら自ずと見えてくるはずだ。

構成●スマッシュ編集部

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