先日、神戸市立王子動物園でいろいろな動物を見てまわって楽しんでいたところ、「えっ、なんやろこの動物!?」と立ち止まるほどにビックリしてしまったんです。
一見ゾウのような肌の色をしているのですが、全身がまるで濡れているかのようにヌルッとしているもんで少し不気味に見えるんです。大きくて丸い体の真ん中部分に顔がギュッと集まっているようで、短い鼻のようなところの横に小さな目らしきくぼんだ部分があって。そこから、うかがうような表情でジッとこちらを見ている……!?
時折、ピクン! ピクン! と動いているし……。
「うあ〜、なんかこわい〜」
見つめること10分ほど。のっしのっしと、大きく動き出しました。と思ったら、振り返った!? えっ!?
この動物の正体がわかりました。なんと、カバだったんです!
私が見ていたのは、カバのお尻だったんです。
一体どんな状況だったかというと、このときはエサの時間だったため、陸の奥のほうに置かれたエサをむしゃむしゃ。下を向いて食べていたためにこちらにずっとお尻を向けていて、それを私が真正面から、いや真裏から見たもんで、「なにこの動物!?」と思ってしまったようです。
初めて見たんですけど、カバのお尻ってこんな風だったんですね。
王子動物園のスタッフさんによると、カバはほとんどの時間を水の中で過ごしているのだそう。陸では重い体を支えないといけないですから、浮力のある水中にいるほうが楽なんですって。そのうえ、陸では乾燥や紫外線から肌を守るためにローションのような赤い汗をかくくらいですから、やっぱり水の中のほうが過ごしやすいわけです。
スタッフさんも「お尻を見る機会はあまりないですもんね」と笑ってはりました。
その後もゆっくりとカバを見ていたのですが、カバがどんな声を出すか知ってはります? 「ウォ! ウォ! ウォ!」という低いトーンの笑い声みたいなんです。
カバの鳴き声も聞けたし、あまりきれいな話ではないですが、噂の“まき糞”も見れたし。ほんま、カバって前も後ろもユニークですよね。
王子動物園では、お昼と夕方にエサをあげているそう。どうしてもカバのお尻が見てみたいという方は、その時間帯にどうぞ(笑)。
※ラジオ関西『バズろぅ!』2024年2月7日放送回より
(『バズろぅ!』ラジオパーソライター・わきたかし)