夫に「専業主婦になって」と言われましたが、「年収400万円」では正直キツイと感じてしまいます。やり繰りすれば大丈夫でしょうか…?

平均年収は458万円

国税庁が発表した令和4年分の「民間給与実態統計調査」の結果によると、1年を通じて勤務した給与所得者(対象5078万人)の平均給与は458万円となっています。男性は563万円、女性314万円です。年収400万円であれば、全体の平均給与より50万円ほど少ない状況で、25~29歳男性の平均給与である420万円もわずかに下回ります。

年収400万円の手取り額はいくら?

年収400万円といっても、その全額が受け取れるわけではありません。社会保険料や税金が引かれた金額が「手取り額」として手元に残ります。

額面のおよそ7~8割が手取り額と言われていることから、年収400万円の場合は約320万円前後となると推測されます。つまり、月々26万円ほどで生活の全てをまかなう計算になります。

平均支出

次に、毎月の平均支出はいくらなのか見ていきましょう。総務省による令和5年11月分の「家庭調査報告」によれば、2人以上の世帯の平均消費支出は28万6000円という結果でした。

世帯人数の平均2.89人でのデータなので、子どももしくは同居の親などが含まれた人数での消費支出額となります。世帯の人数によって異なるため一概にはいえないものの、現時点で毎月26万円の収入となると月2万円以上も不足する計算となるため、節約などのやりくりが必要不可欠といえます。

なお平均消費支出の内訳では、住居費が約1万7000円となっています。賃貸に住むあるいは住宅ローンの支払いがある場合は、住居費がさらに高額になることを想定しなくてはなりません。

子どもが増えても大丈夫?

先ほど提示した平均消費支出額は、夫婦以外の同居人(子どもなど)が含まれた人数での計算になります。

しかし、あくまで平均的な支出額ですので、今後子どもが成長するにつれて支出額も平均以上になることを考慮しなければなりません。

子どもの教育費

文部科学省による令和3年度の「子供の学費調査」の結果では、1年間の学習費総額は幼稚園で16万5000円~30万9000円です。小学校で35万3000円~166万7000円、中学校で53万9000円~143万6000円、高校で51万3000円~105万4000円でした。

子どもが生まれると、こうした教育資金もかかってくるわけです。先述の学費調査はあくまで学習費のみなので、子どもの食費や交際費もさらに上乗せされると想定しなくてはなりません。

平均消費支出だけですでに月2万円ほど赤字になっているので、子どもが増えると生活に支障が出てくる可能性があります。

夫の年収400万円だと専業主婦は厳しいかも

夫の年収400万円で専業主婦になれるのかを考えました。結果、平均消費支出の時点で毎月2万円ほど赤字になる計算です。住む地域にもよりますが、夫婦2人での生活ならなんとか可能でも、子どもが増えるとなると毎月のやりくりがかなり重要になってきます。

この収入では不安だという場合は、転職や副業をすること、専業主婦にはならず夫婦共働きのままでいくことを検討するのがよいでしょう。将来設計をしっかり決めた上で、夫婦で話し合って決めたいですね。

出典

国税庁 令和4年度分 民間給与実態統計調査 -結果報告-
総務省 家庭調査報告 -2023年(令和5年)11月分-
文部科学省 令和3年度子供の学習費調査の結果について

執筆者:本条アカネ
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