【クイーンC】非社台・ノーザン系の好走条件に合致 穴は早期から活躍の血統も魅力のモリノレッドスター

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社台・ノーザン系生産馬が3着内の大半を占める

クイーンCを予想するうえで、どうしても避けては通れないのが生産者別成績だ。

直近10年でノーザンF生産馬が【8-7-8-24】と圧倒的な成績を残している。そもそも出走馬の約3割がノーザンF生産馬であるうえに、8勝して複勝率48.9%を誇っているのだから、3歳2月時点では最大手の生産場のほうがレベルの高さや仕上がりの早さで差を付けやすい。こういったことが如実に表れている。

さらに白老F、追分F、社台Fといった社台系の生産馬まで含めると【10-9-8-50】と、圧倒的な成績だ。しかし、そんな状況の中で筆者は昨年、一昨年と非社台・ノーザンの穴馬を探す記事を書いたが、結果はともに1~3着まですべて社台・ノーザン系で決着。やはり逆らってはいけないのかもしれない。

しかし、それでも穴を探したい! 直近10年で非社台・ノーザン系生産馬が馬券圏内に入ったのは3頭しかないが、3頭の人気は12、7、5番人気。絡めば配当アップは確実。特に2020年に12番人気で3着となったセイウンヴィーナスは単勝265.5倍、複勝でも2610円の配当がついた。社台・ノーザン系で堅い傾向だからこそ、それ以外の穴を今一度探してみようというのが今回の、いや今回も趣旨だ。

狙うは「前走上がり上位馬」

まずは非社台・ノーザン系生産馬で3着内に入った3頭の前走成績を見ていく。前走レースはフェアリーSか菜の花賞。中山芝1600mの重賞か1勝クラスで、3頭とも上がり3F2位以内と上位だった。本番のクイーンCでも上がり3F3位以内で馬券圏内にきており、前走着順はともかく、1勝クラス以上のマイル戦で上位の上がりを使えていた馬にチャンスがあるといえよう。

さらに3頭とも前走からの継続騎乗。前走の走りを参考にして、クイーンCでも戦うことが大事なようだ。まとめると下記のようになる。

・前走1勝クラス以上のマイル戦(できれば中山)
・前走上がり2位以内
・継続騎乗

というわけで、この条件に近い非社台・ノーザン系生産馬を探してみよう。

早期から活躍する血統 モリノレッドスターが面白い

まずはテリオスサラだ。前走フェアリーSはスタートで出遅れ最後方からの競馬となり7着。しかし、上がり34.1は全体2位で前走条件はすべて満たしている。懸念点は鞍上が石橋脩騎手から戸崎圭太騎手に乗り替わり予定で、継続騎乗という条件を満たさない点だ。また、フェアリーS前までは先行策で競馬をしており、末脚勝負をしていなかったため、レースの組み立てが噛み合うかがカギとなりそうだ。

2頭目はサクセスカラー。前走は中山マイルの新馬戦、上がり3F2位の34.9で勝利している。鞍上も田辺裕信騎手の継続騎乗となる見込みだ。満たしていないのは前走1勝クラス以上という条件だけではあるが、前走が2、3番手からの先行策であったことは気がかりだ。過去の非社台・ノーザン系生産馬の好走脚質が差し、追込だったことから、田辺騎手が新馬戦を踏まえてどう乗ってくるのか注目したい。

最も注目するのはモリノレッドスター。新馬戦は今回出走予定のアルセナールの2着に敗れたが、前走の中山芝1600m未勝利戦は道中5~6番手から4角3番手まで押し上げてのロングスパートで快勝。上がり3Fも1位(35.2)。こちらも1勝クラス以上の条件は満たさないものの、前走上がり順位の条件は満たしているうえ、鞍上も横山武史騎手が継続騎乗という面もプラスだろう。

今回挙げた3頭とも条件を1つだけ満たせていないが、過去の非社台・ノーザン系生産馬の好走例に近い。テリオスサラ、サクセスカラーの2頭はそこそこ人気になりそうだが、モリノレッドスターは穴馬となろう。

そのモリノレッドスターの父はデクラレーションオブウォー。同種牡馬は2019年から日本で供用されており、モリノレッドスターは2世代目。初年度世代となる現4歳の活躍馬では京都2歳S、ホープフルS、弥生賞、札幌記念の4重賞で2着のトップナイフや、ファルコンS勝ち馬タマモブラックタイなどがいる。同世代には昨年の札幌2歳S勝ち馬のセットアップがおり、早い時期から活躍できる血統で、かなり面白そう。注目したい。

<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYouTubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。



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