2024年登場予定の新型車12選! 価格と発売日を予想・解説

2024年には、すでに12台の新型車の登場が予想されます。今回は軽自動車、コンパクトカー、ハッチバック、SUV、ミニバンとそれぞれボディタイプ別にピックアップ。発売時期や価格、ボディサイズ、内装、外装をカーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんが予想、解説します。

2024年新型車

2024年の新型車予想一覧

今回は2024年に登場予定の新型車について、以下の4つのボディタイプ別に12台をご紹介します。

軽自動車

コンパクトカー&ミドルサイズハッチバック

SUV

ミニバン

ダイハツ ムーヴ

(参考)現行ムーヴ

待望の新型ムーヴ、発売延期!

新型ムーヴの予約受注は、2023年の5月中旬に開始されました。6月には正式に発表され、7月には納車も始まる予定でした。

しかし、ダイハツの認証申請に関する不正行為が明るみに出たため、新型ムーヴの登場は延期されました。販売店では予約受注に伴い、ユーザーからの申込金を預かりましたが、これも返金されています。

2024年秋に発売予定! 予約受注は9月から10月ごろ

(参考)現行ムーヴ

それでも新型ムーヴの開発は基本的には完了しています。販売店では「2024年の9月から10月ごろには発売できると思います」と述べられています。

現在、国土交通省はダイハツ車の法規適合性を確認する作業を進めており、順次、ダイハツでは出荷が再開されています。これが一段落した後、新型ムーヴの認証を申請し、2024年の秋ごろに発売される予定です。

新型ムーヴの特徴は、後席側のドアがスライド式になることです。つまり、新型ムーヴキャンバスに似たクルマで、全高は1655mm、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も2460mmなので、ボディサイズはほぼ同じです。

一方で、新型ムーヴの外観は異なり、ボンネットは前方に傾斜させ、フロントウィンドウは角度を寝かせています。可愛らしい印象の新型ムーヴキャンバスと比べると、少し鋭角的なデザインです。

価格は129万円から! 派生車の新型ムーヴキャンバスよりお買い得

新型ムーヴの価格は以前の予約受注時点では、最も安価なLグレードが129万2500円、中級のXグレードが141万9000円、エアロ仕様でターボエンジンを搭載するRSグレードが180万9500円でした。

この価格は新型ムーヴキャンバスよりも安いです。2024年の秋に新型ムーヴの受注が再開される際も、同様の価格帯になるでしょう。

スズキ ワゴンR

(参考)現行ワゴンR

7年ぶりのフルモデルチェンジ! 2024年中に新型ワゴンR登場か

現行のワゴンRは2017年に登場したため、2024年中には7年ぶりのフルモデルチェンジとして新型ワゴンRが登場する可能性が高いです。

最大の特徴は燃費性能! 26km/L超えを目指す

(参考)現行ワゴンR

新型ワゴンRの最大の特徴は燃費性能です。

現在のスズキはマイルドハイブリッドを中心に燃費を向上させており、例えば新型スペーシアハイブリッドGはスーパーハイトワゴンでトップの25.1km/L、アルトは軽自動車でトップの27.7km/Lを達成しています。

従来のワゴンRはスペーシアよりも全高が低く、車両重量も軽いため、最高グレードでは26km/Lの到達を目指すでしょう。

また、現在のスズキにはワゴンRに似た全高の軽自動車として、人気の高いSUV風の新型スペーシア、スライドドアを備えた新型ワゴンRスマイル、そしてSUV風の新型ハスラーがあります。

低価格グレードとスポーティーグレードの2つの価値観を併せ持つ

そのため、新型ワゴンRの標準ボディには、現行モデルと同じく価格が130万円前後の低価格なグレードを用意し、安全装備を充実させながら「低燃費と低価格」を追求するでしょう。実用重視の新型アルトの価値観を、背の高いボディに組み合わせたクルマとなります。

一方で、エアロパーツを装着したグレードは、スポーツ指向の強い派手な外観に仕上げられるでしょう。これにより、新型ワゴンRは2つの価値観を併せ持つ車となると考えられます。

スズキ スペーシアギア

スペーシア・パパボクキッチン

2024年夏にも新型スペーシアギアが登場予定

現行のスペーシアは2023年11月に発売されましたが、標準ボディとカスタムのみでSUV風のスペーシアギアは設定されていません。

しかし、2024年には新しいスペーシアギアが登場する予定です。販売店によれば「予約受注は6月ごろに開始され、正式な発売は8月ごろになる可能性が高い」とのことです。

アウトドアにも便利な撥水加工シートが設定されそう

新しいスペーシアギアの詳細は2024年1月19日に公開しました。東京オートサロン2024で展示された「スペーシア・パパボクキッチン」はプロトタイプと考えられています。

スペーシア・パパボクキッチンでは、車内の後部をキッチンにアレンジしており、これを取り外すと広々としたリアシートになります。このリアシートはワンタッチで自転車も積むことができる荷室にも変更可能です。

基本的な造りは新型スペーシアのベース車と同じですが、荷室には汚れを落としやすい加工が施され、シート生地も撥水加工となります。これにより、アウトドアでの利便性が向上するでしょう。

スペーシア・パパボクキッチン

新型スペーシアギアはよりSUVらしいデザインに期待

新型スペーシアギアの外観はおそらく従来のスペーシアギアと同じくSUV風のデザインで、フロントマスクには縦方向に太いスリットの入ったグリルが装着されるでしょう。

その下のバンパーはH型で、従来のスペーシアギアよりもSUVらしい力強さを感じさせるデザインです。登場すれば人気車になることでしょう。

ホンダ N-BOXジョイ(SUV風モデル)

(参考)新型N-BOX

ライバル車種の牙城を崩せるか? 大人気軽自動車のN-BOXに待望のSUVタイプが登場!

全高が1700mmを超えるボディにスライドドアを装着した軽自動車のスーパーハイトワゴンには、SUV風のタイプが多いです。

前述のスズキ 新型スペーシアギア、2024年1月下旬時点では出荷を停止しているもののダイハツ 新型タントファンクロス、三菱 新型デリカミニがあります。これらのSUVタイプは人気も高く、「カスタム」などの名称で販売されているエアロ仕様に迫る売れ行きです。

そこで国内販売ナンバーワンの新型N-BOXも、標準ボディとエアロ仕様のカスタムに加えて、SUV風のタイプを追加するでしょう。登場時期は、2024年の10月から11月ごろと予想されます。

最近流行りの丸型ヘッドランプで個性を演出

外観は新型N-BOXの特徴とされる直線基調のボディを生かして、ヘッドランプは標準ボディと同様の丸型となるでしょう。

新型スペーシアギアや昨年復活販売を遂げたトヨタ 新型ランドクルーザー70など、SUVでは丸型ヘッドランプの人気が高く、新型N-BOXの個性も表現しやすいからです。新型N-BOXにSUVタイプが登場すれば人気が集まりそうです。

(参考)新型N-BOX

スズキ スイフトスポーツ

新型スイフト クールイエローレヴ(プロトタイプ)

コンパクトカーの常識を超えるパワー

新型スイフトスポーツは、従来型と同様、コンパクトカーの新型スイフトをベースに開発されるでしょう。

ボディはエアロパーツの装着などによって3ナンバーサイズに拡大すると予想されます。

エンジンは、標準タイプの新型スイフトには直列3気筒1.2Lが搭載されますが、新型スイフトスポーツには直列4気筒1.4Lターボが搭載されるでしょう。

このパワーユニットは従来型と共通で、自然吸気のノーマルエンジンに換算すると、2.3Lに相当する動力性能を発揮します。

マイルドハイブリッドシステムによる燃費向上も期待

さらに新型スイフトスポーツでは、マイルドハイブリッドシステムも加えられ、実用走行域を中心に燃料消費量と二酸化炭素排出量を抑制されるでしょう。

新型スイフトスポーツで注目されるのは走行安定性と乗り心地のバランスとなりそうです。

さらなる進化を遂げた走行性能

2023年12月に発売された5ナンバーサイズの新型スイフトは、従来以上にステアリング操作に対する車両の反応が正確になりました。下り坂のカーブを曲がったり、危険を避ける時には、後輪がしっかりと接地しています。

新型スイフトスポーツは、これらの素性の良さを受け継いで、さらに安心感の高いスポーティなハッチバックモデルに発展するでしょう。

新型スイフト クールイエローレヴ(プロトタイプ)

ホンダ シビック RS

シビックRS プロトタイプ

手頃な価格で楽しめるスポーツグレード

現在のシビックのエンジンには、直列4気筒1.5Lターボ、2Lのe:HEV(ハイブリッド)、タイプRには2Lターボが搭載されています。注目されるのは、2024年の7〜9月ごろに登場する1.5Lターボ搭載のRSグレードです。

RSグレードの特徴は、1.5Lターボエンジンを搭載しながらも、スポーツ指向を強めることでしょう。タイプRのような本格的な高性能モデルではなく、運転が楽しいライトな車に仕上げられる予定です。

進化した足回りで安定感のある走行

現行の1.5Lターボと比較して、最も注目される変更点は足回りのセッティングでしょう。乗り心地を損なわずに、タイヤのグリップ力を高め、4輪のグリップ性能をより効果的に活用することができるはずです。

そのため、峠道などで旋回軌跡を拡大させにくくし、後輪もしっかりと路面をグリップするため、危険を回避するときでも車の挙動が乱れにくくなるでしょう。高速道路での横風などの状況でも、走行の安定性を向上させることができます。

ブレーキも現行のe:HEVと同じタイプになると予想されます。ブレーキローターが10〜20mm大きくなるため、総合的に安心感のある運転感覚を味わえるでしょう。

高回転域のパワーフィール向上

さらに、エンジンも高回転域のパワーフィールを向上させる調整が行われる可能性があります。6速MTとの相性も考慮され、日常的にスポーティな運転を楽しむことができるでしょう。

価格も1.5Lターボを搭載するEXグレードと比べて20万円程度に抑えられると予想されます。楽しい走りを存分に楽しむことができるでしょう。

シビックRS プロトタイプ

スズキ フロンクス

新型フロンクス

インド製のスタイリッシュなコンパクトSUV

スズキの新型コンパクトSUV「フロンクス」は、2023年にインドをはじめとする新興国を中心に発売されたモデルです。

フロンクスの最大の特徴は、コンパクトなボディとスタイリッシュな外観・内装デザインです。

日本の都心部でも走りやすいような、全長3,995mm×全幅1,765mm×全高1,550mmのコンパクトなボディ。

外観はリヤゲートを寝かせたデザインにより、クーペのようなスポーティーな印象です。

内装についても、質感は良好です。インパネ中央に9インチのディスプレイオーディオやワイヤレス充電などが備わっています。

日本導入は2種類のエンジンと予想

エンジンは、1Lターボ、1.2Lノーマルエンジン、1.5Lマイルドハイブリッドの3種類が海外では用意されています。

そのうち、日本に導入されるのは、1.5Lマイルドハイブリッドと1.2Lノーマルエンジンの2種類が有力です。

価格と発売時期

日本での価格は190万円台からとなるでしょう。発売予想時期は2024年9~11月頃です。

トヨタ クラウンエステート

新型クラウンエステート

クラウンSUVシリーズの頂点に立つエステート

現在のクラウンは、SUVが3種類、セダンが1種類で、合計4種類のボディが用意されています。新型クラウンエステートは、4番目に登場する車種で、2024年3月までに発売される予定です。

新型クラウンエステートはすでにサイズやデザインが発表されています。

ボディは新型クラウンのSUVの中では最も大きく、全長は4930mm、全幅は1880mmに達します。外観はSUVの典型とされるワゴン風のデザインで、車内も広いです。

後席の頭上と足元にも十分な空間があり、4名で乗車して快適に移動できるでしょう。

新型クラウンエステートは荷室容量も大きく設定されています。

バリエーションは2列シートのみですが、荷室に3列目の補助席を装着した7人乗りを設定できるほど、積載性が優れています。

ハイブリッドとプラグインハイブリッドの2種類のパワーユニット

新型クラウンエステートのパワーユニットは、直列4気筒2.5Lエンジンを使ったハイブリッドと、プラグインハイブリッドが用意されます。エンジンの組み合わせは新型クラウンスポーツと同じです。

プラグインハイブリッドは充電機能を備えるだけでなく、動力性能もハイブリッドに比べて高められます。駆動方式は4WDのみで、後輪操舵の機能も備わります。

価格は620万円以上と予想

つまり新型クラウンエステートは、SUVスタイルのクラウンの中では、最上級車種に位置付けられます。そのため価格も高く、ハイブリッドが620万円以上となるでしょう。

新型クラウンエステート

トヨタ ランドクルーザー250

新型ランドクルーザー250

ランドクルーザープラドの後継モデル

当初の予想通り、2024年4月18日(木)、トヨタ 新型ランドクルーザー250が発売されました。

新型ランドクルーザー250の基本的な性格は、従来のランドクルーザープラドと同様、後輪駆動をベースにした4WDを搭載する悪路向けのSUVです。

プラドより一回り大きいボディサイズ

これまでのプラドのようなランドクルーザーのコンパクト版ではありません。全長は4925mm、全幅は1940~1980mm、全高は1925~1935mmで、プラドに比べて一回り大きくなります。

エンジンはプラド同様ながら、ディーゼルのトランスミションが8速ATに進化

一方、新型ランドクルーザー250のエンジンは、従来のプラドと同じ直列4気筒2.7Lガソリンエンジンと、2.8Lクリーンディーゼルターボエンジンが選択可能です。

トランスミッションはディーゼルのみ変更されました。プラドは6速ATでしたが、新型ランドクルーザー250は8速ATに上級化されています。ガソリンはプラド同様に6速ATでギヤ比も共通です。

新型ランドクルーザー250

マツダ CX-80

新型CX-80(北米仕様)

後輪駆動プラットフォーム採用でスタイリッシュな3列仕様SUV

新型CX-80は2024年4月に欧州で初公開されました。日本では2024年の8月ごろに発売されるでしょう。

新型CX-80はCX-8の後継となる3列シートのSUVですが、プラットフォームは新型CX-60と共通で、駆動方式は後輪駆動の2WDと4WDが用意される予定です。

直列6気筒エンジンをベースにした後輪駆動のプラットフォームを使用すると、ボンネットが長くなります。そのため、CX-80の全長は4995mmと長めです。全幅はCX-60と同じく1890mmです。

パワフルな直列6気筒エンジンも搭載

日本仕様のパワーユニットは、欧州仕様が踏襲され、直列4気筒2.5Lガソリンエンジンを使ったPHEV(プラグインハイブリッド)、直列6気筒3.3Lのクリーンディーゼルターボ、ディーゼルのマイルドハイブリッド仕様の3つが設定されると予想します。

広々とした室内空間と快適な乗り心地

新型CX-80の車内は3列目のシートを含めて広く、重量配分の優れた後輪駆動のSUVです。

また、前輪が前寄りに配置され、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も3120mmまで延長されています。そのため走行安定性と乗り心地が優れていることでしょう。おそらく国内ではマツダの最上級車種となります。

新型CX-80の価格は最も安価なベーシックグレードでも500万円程度、最上級グレードの価格は800万円程度と予想されます。

新型CX-80(北米仕様)

スバル フォレスター

新型フォレスター(北米仕様)

存在感溢れるフロントマスクと変わらないボディサイズ

次期型フォレスターは、日本では2024年の末から2025年にかけて発売されるでしょう。すでに北米で発表された新型フォレスターからデザインやサイズなどが予想できます。

次期型フォレスターのフロントマスクは存在感を強めますが、ボディサイズは現行型とほぼ同じでしょう。全長は4690mm、全幅は1850mm、全高は1750mmとなる予定です。ホイールベースは2670mmで、最小回転半径は5.4〜5.5mでしょう。

走行安定性と乗り心地が向上する新型プラットフォーム

次期型フォレスターのプラットフォームは、新型レヴォーグなどと同様のフルインナーフレーム構造(従来の車体製造方法とは異なり、ボディ全体の骨格を先に組み立ててから外板パネルを接合する構造)が採用されると予想されます。これにより、走行安定性と乗り心地が向上し、走りの質が高まるでしょう。

排気量2Lに統一されたパワーユニットと価格

パワーユニットに関しては、1.8Lターボは廃止される可能性があります。排気量は2Lに統一され、マイルドハイブリッドのe-BOXERと新開発のフルハイブリッドが搭載される予定です。価格は少し上昇するかもしれませんが、おおむね現行型に準拠するでしょう。

新型フォレスター(北米仕様)

ホンダ フリード

新型フリード(e:HEV AIR EX)
ホンダ 新型フリード(ガソリン クロスター)

グレードの大別はエアーとクロスターの2種類を設定

コンパクトミニバンの新型フリードは、2024年6月にフルモデルチェンジが予定されています。

グレードは大きく分けると2種類。従来の標準ボディに相当する「エアー」と、外観をSUV風にアレンジした「クロスター」が設定されています。

エアーには3列シートの6人乗りと7人乗り、クロスターには5人乗りと6人乗りが用意されます。

高燃費を実現するe:HEVハイブリッドシステムを搭載予定

新型フリードではパワーユニットも変更され、特にハイブリッドは現在のホンダ車で多く採用されているe:HEVが設定されます。e:HEVのエンジンは主に発電を担当し、駆動はモーターが行う機構となっています。

手頃な価格設定で人気の高いミニバンになりそう

価格はノーマルエンジンを搭載するベーシックグレードが250万8000円~で、ハイブリッドは285万7800円~です。高機能でありながらミニバンとしては価格も手頃で、人気車になるでしょう。

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【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:佐藤 正巳/森山 良雄/茂呂 幸正/マツダ】

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