元巨人・陽岱鋼、新潟からNPB復帰へ37歳の挑戦...オイシックス監督が感じ取った「日本球界への思い」

2024年シーズンからプロ野球イースタン・リーグに参加するオイシックス新潟アルビレックスBCは24年2月4日、日本ハム、巨人などでプレーした陽岱鋼外野手(37)を獲得したことを発表した。陽は21年に巨人を退団後、米独立リーグなどでプレー。今季はオイシックスから日本野球機構(NPB)球団移籍を目指すことになるが早期復帰は叶うのか。J-CASTニュースは、オイシックスの橋上秀樹監督(58)に話を聞いた。

「チャンスがあれもう1度日本でやりたいという思い」

台湾出身の陽は05年ドラフト会議で日本ハムから1位指名されて入団した。プロ5年目の10年から頭角を現し、10年シーズンは109試合に出場。12年には144試合に出場して打率.287、7本塁打、55打点を記録した。16年オフにフリーエージェント(FA)で巨人に移籍して5年間プレー。21年オフに自由契約となりその後、米独立リーグでプレーした。

陽のオイシックス入団にあたり交渉役を務めた橋上監督は「他のNPB経験者と同じように戦力としての期待はもちろんありますが、他のチームメイトへのアドバイスや野球に取り組み姿勢など好影響を与えてほしいという気持ちはあります」と語り、入団に至る経緯を説明した。

「本人とも話をして日本球界に復帰したいという意思が非常に強かった。巨人を退団してからアメリカの独立リーグでプレーしていましたが『チャンスがあれもう1度日本でやりたいという思いがありながら現役を続けている』と言っていた。『家族を含め日本でもう1度生活を』ということも言っていた。彼の中でそういう人生設計の中で日本での生活は大きなウエイトを占めているような感じもあった。そういうことも含めて期待している」

橋上監督はプロ野球の楽天、巨人、西武、ヤクルトでコーチを歴任し、陽の日本ハム、巨人時代に敵軍のコーチとして対戦。橋上氏は当時の陽を「走攻守揃った選手」と評し、「年齢的な衰えはあるものの身体能力やポテンシャルは十分にある」とした。チームとして長打力に期待しているという。

「年齢的なことを考えるとハードルが高くなるのは承知していると思う」

橋上監督は陽のNPB復帰への課題について「NPB関係者が見て戦力として使えると判断できるようなプレーを見せることが必要。本人は年齢的なことを考えるとハードルが高くなるのは承知していると思う。その年齢でも十分に戦力になるというパフォーマンスを披露することが求められる」との見解を示し、率直な気持ちを明かした。

「正直に言ってNPB球団に早く行ってほしい気持ちもありますし、行ってしまうくらい活躍していればうちのチームの大きな戦力が削がれるわけなのでチーム的には痛い。それでもトータルで考えればNPB球団に戻ってほしいという気持ちの方が強い。彼の日本の野球に対するこだわりというか、愛着を聞いているのでなんとかもう1度NPB球団に復帰させてあげたいと純粋に思います」

オイシックス経由で早期のNPB復帰を目指す陽。新潟県内で春季キャンプを行うチームとは別に、現在地元台湾で自主トレを行い、ビザ取得などの手続き完了を待って来日する予定だという。

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