神戸市の専門相談窓口「神戸ひきこもり支援室」 昨年度は3000件対応 「率直な悩みを寄せて」

「神戸ひきこもり支援室」の受付

神戸市が開設する、ひきこもりの専門相談窓口「神戸ひきこもり支援室」。市内に住むひきこもり状態にある本人やその家族が抱える悩みを、ともに考えサポートする相談窓口として、精神保健福祉士、社会福祉士、保健士など数名の相談員が相談を受けています。

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「神戸ひきこもり支援室」は、JR神戸駅から歩いて10分ほどの場所にある「神戸市総合福祉センター」1階にあります。2020年2月に開設し、昨年度は3000件近い相談に対応してきました。

中高年のひきこもりの人たちの生活を高齢の親が支える「8050問題」など、ひきこもり問題は全国的に大きな課題となっています。支援室は、30代が7割を占めるものの10代から50代など幅広い年代が訪れており、性別に関しても、以前は男性が多い傾向にありましたが最近は男女関係なく増加しているといいます。なかには、新型コロナウイルスの外出控えが原因となってひきこもり生活を送っているという人もいるそうです。

相談に訪れるうち7割が、ひきこもり当事者ではなく家族とのこと。「本人にどのように働きかければいいのか」「自立してもらいたい」という思いから、支援室を訪れる人が多いのだそう。ひきこもりの原因はそれぞれ異なるため、まずは家族に状況を説明し、本人が安心して生活できるような環境を一人ひとりにあわせて考えて提案します。

電話での相談は、「#8900(ハヤクオーエン)」まで。つながらない場合は、電話番号(078-361-3521)もしくはメールでも受け付けています。相談時間は、祝日と年末年始をのぞく月曜日から金曜日の午前9時~午後5時まで。各区役所では、出張相談なども行われています。

継続した支援を希望する場合、その後も月1回ほどの頻度で電話・来所相談を実施し、まずは家族関係の回復を目指します。次に本人と支援者との会話をすすめたのち、少人数の集団に参加することで社会参加を目指していきます。また、希望者には就労支援を行っているそうです。

神戸ひきこもり支援室の江口亮太さんは、「支援室では、ご本人やご家族に寄り添った支援を心がけております。『こういったことで悩んでいる』『こういう風な生活をしていきたいがどうすればいいか』など、率直なお悩みで構いませんのでお寄せいただければと思います」と話しました。

※ラジオ関西『サンデー神戸』2024年1月28日放送回より

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