元世界1位ベッカー氏、ルーネのコーチをわずか4ヵ月で辞任「彼に必要なことを与えられない」

世界7位ルーネ、フェデラーの元コーチに続いてベッカー氏もチームから離れる

世界ランク7位のホルガー・ルーネ(デンマーク)のコーチを務め、グランドスラム通算6勝のボリス・ベッカー氏は、自身のSNSを通じてコーチを辞任したことを発表。仕事とプライベートの両立が難しく、「彼に今必要なことを与えられない」とした。

20歳にして自己最高ランキング4位のルーネ。昨季はウィンブルドンまで勝ち星を重ねていたが、8月の北米ハードコート・シーズンから7大会でわずか1勝しか挙げられなかった。

その不振を打開したのが、グランドスラム通算6勝のボリス・ベッカー氏。10月にチームに加わると調子が上向きに。ツアー最終戦「Nitto ATPファイナルズ」(イタリア・トリノ)にも出場を果たした。

今季も将来有望なルーネのサポートをしていくと思われていたが、突然の辞任。「我々は昨年末のATPファイナルズを目標にパートナーシップをスタートさせたが、これを成功させるためにはホルガーにできること以上に多くのことを与えることに気づいた。仕事とプライベートのため、彼に今必要なことを与えることはできない」とコーチを辞任する理由を明らかにし、「彼のベストを祈り、常に彼のNo.1のファンであり続けるつもり。一緒に旅ができたことに心から感謝している」と綴った。

ルーネは、昨年12月にロジャー・フェデラー(スイス)と15年にわたって共にしたセヴェリン・ルティ氏をチームに加えたが、全豪オープン後に解任。ルーネの母でマネージャーのアネケさんはデンマークのメディアに「タイミングが悪かった。ホルガーが必要とする十分な週数をカバーできなかった」とルティ氏がチームを離れた理由を説明している。

今年1月の全豪オープンにベッカー氏は、解説者として渡豪。また、資産隠しの罪でイギリスの刑務所に服役し、2022年に国外退去命令が出ており、現在も渡航制限がある。コーチの助言を必要とするルーネの要望に応えられなかったようだ。

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