鈴々舎美馬、憧れの師匠に教わった廓噺と新作落語で会場を笑顔に 『第8回 ぴあ寄席』レポート

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2月4日(日) 東京・らくごカフェにて『第8回 ぴあ寄席』が開催された。

『ぴあ寄席』は、演芸写真家・橘蓮二が今、注目する新進気鋭の芸人を紹介するプログラムで、今回は、2023年11月に二ツ目に昇進したばかりの鈴々舎美馬が登場。古典と新作落語をそれぞれ1席ずつ披露した。

冒頭、橘さんより紹介があった後、美馬さんが登場。マクラでは、学生時代からの憧れである蝶花楼桃花師匠との話を披露。人見知りが過ぎて、同じ落語家になってもなかなかお近づきになれなかったが、真打昇進のタイミングを見計らって桃花師匠のもとに教えを請いに行ったという。その時に教わったのが、この日高座にかけた廓噺の『お見立て』。

『お見立て』は、吉原遊郭を舞台に、花魁の喜瀬川と田舎農民の客・杢兵衛との間に挟まれ右往左往する喜助の滑稽噺。喜瀬川を可愛いらしさ全開で演じる一方で、無理難題を突き付けられた喜助の慌てふためく様を、その小柄な体からは想像できないほどのダイナミックな動きで表現すると、会場は大きな笑いに包まれた。

仲入りを挟んで、もう1席は新作落語。噺に入る前には、橘さんとの出会いのエピソードも。前座時代、新作落語を披露する機会に恵まれ、初めて創作することになった美馬さん。その時生まれたのが『エステサロン』という演目だったが、師匠方からはなかなか厳しい評価もあり悩んでいた。だが、反対に「面白かったよ」と声をかけてくれたのが橘さんで、その一言があったから、その後も新作落語を作ることができたと語る。

その時のお礼も兼ねて、今の自分の全力を出し切りたいと披露したのは『魔法の腕時計』。主人公のハナちゃんが大人になってもっと遊びたいと、ぬいぐるみのピーちゃんとともに魔法の腕時計でタイムスリップするファンタジックな物語。ハナちゃんとピーちゃんのやり取りが、某猫型ロボットが活躍するアニメのようでおかしい。しかし、後半になるにつれてハナちゃんの家族構成や腕時計など伏線の回収がされ、いつしか人情噺へと変化。物語が大団円を迎えたところで、客席から拍手が巻き起こりそのまま公演を終えた。

本編を終えると、トークコーナーへ。ガチガチに緊張していたことをバラされた美馬さんだったが、橘さんは噺に入った途端にスイッチが入るところが素晴らしいと語る。橘さん曰く、売れていく人が持ち合わせている大切な要素だという。

また、『橘蓮二プロデュース 極vol.17 柳家喬太郎トリビュート「柳家の一族」』に出演することも発表された。美馬さんは、柳家喬太郎師匠の『午後の保健室』を口演する。

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<公演情報>
『橘蓮二プロデュース 極vol.17 柳家喬太郎トリビュート「柳家の一族」』

『橘蓮二プロデュース 極vol.17 柳家喬太郎トリビュート「柳家の一族」』ビジュアル

5月14日(火) 東京・なかのZERO小ホール
開演 19:00

■出演
柳家喬太郎 『お楽しみ』
鈴々舎美馬 『午後の保健室』
柳家小太郎 『銭湯の節』
寒空はだか 「漫談」

■チケット発売日
2月22日(木) 10:00~

チケットはこちら:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2404448

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