「幸せなら手をたたこう」歌詞が生まれた日本とフィリピンの物語 「誕生の背景を知って」作詞者の友人、沖縄市の小中学校へ漫画贈る 

比嘉良憲教育長(右から3人目)に漫画「幸せなら手をたたこう 誕生物語」を手渡す桑江光子さん(同2人目)=1月24日、沖縄市教育委員会

 沖縄市出身の桑江光子さん(89)=宜野湾市=が1月24日、沖縄市教育委員会に比嘉良憲教育長を訪ね、漫画「幸せなら手をたたこう 誕生物語」を市内全小中学校向けに48冊贈った。「幸せなら手をたたこう」を作詞した木村利人さんは桑江さんの長年の友人。桑江さんは「木村さんが体験した日本とフィリピンの悲しい戦争の傷跡、和解と友情から生まれたこの歌の誕生の背景を知ってもらいたい」と話した。

 漫画は、木村さんが学生時代に農村復興ボランティアで訪れたフィリピンで、太平洋戦争中に日本軍に家族を殺された学生と出会い、歌詞が生まれたことなどを描いている。

 桑江さんは元小学校教諭。昨年8月には木村さんの妻恵子さん作の絵本「よかったね、よかったね。」を贈った。絵本は、穏やかな暮らしを送っていた三つの村がある日を境に戦争の準備を始め、「どうして戦争をするの?」という子どもたちの問いかけを機に大人が自分たちを見つめ直すという内容。

 桑江さんは「この2冊を読んで平和、戦のない世界へ仲良く手を取り合って生きる大切さを学んでほしい」と語った。

 比嘉教育長は「戦争の悲惨さや命の尊さを伝えることが大切。合わせて読んで活用したい」と感謝した。(中部報道部・伊集竜太郎)

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