スズキ、4─12月期収益は過去最高 通期は据え置き

[東京 7日 ロイター] - スズキが7日発表した2023年4─12月期連結決算では、営業利益が前年同期比29.8%増の3466億円だった。四輪の半導体不足解消に伴う販売増、仕様変更や原材料高などを反映した値上げなどが寄与し、売上高・各利益いずれも同じ期として過去最高となった。24年3月期の連結業績予想は据え置いた。

4─12月期の売上高は12.7%増の3兆8474億円、純利益は8.0%増の1981億円だった。主力のインド市場での四輪販売は8.1%増の130万4000台だった。

4─12月期までの好業績を勘案し、今期の期末配当は1株当たり55円とし、中間の55円と合わせ、年間110円とすることも発表した。前期比で10円の増配で過去最高という。

通期の営業利益予想は従来通り4300億円で、IBESがまとめたアナリスト19人の予測平均値4548億円を下回る。前回の営業利益予想に対し為替の影響が200億円押し上げる一方、インドを中心とした販売状況などが250億円押し下げる。

今期の四輪の世界販売計画は314万3000台で、前回予想から4万6000台引き下げた。鮎川堅一副社長は決算会見で、販売計画の下方修正について、インドにおいて二次仕入先からの部品手配が滞ることから調整したと説明。「今期中に解消できるのではないか」との見通しも示した。

一方、イエメンの反政府勢力フーシ派による船舶攻撃に伴う紅海の閉鎖の影響が一部で発生している。鮎川副社長は「部品が間に合わず、ハンガリー工場が1週間休業するなどの問題が出ている」といい、予見できない事態が今後も続くと懸念しつつ、早めに状況を把握してサプライチェーンの停滞を回避したいとの考えを示した。

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