ボランティア男性が“苦言”呈した「細かすぎる被災地のゴミ分別」…石川県の回答は?

石川県輪島市では7階建てビルが倒壊し、多くの家屋が消失した

「(災害ゴミを)土のう袋に入れて一次預かり所に持って行くのですが、そこで(ゴミを)細かく分けさせられ(分別させられ)、『土のう袋は燃えるゴミだから持って帰ってくれ』と言われます。被災地でこんな対応は初めてです。それをやらせているのが、石川県の今の現状なんです」

2月6日、YouTubeのニュース配信番組「百田尚樹・有本香のニュース生放送 あさ8時!」に出演した防災士で災害ボランティアの男性は、こう訴えた。

「男性は珠洲市宝立町から中継していましたが、周囲は崩壊した家々や瓦礫に埋まった車が残っていました。それを重機で片付けるのですが、その重機が足りない現状や車が通れない道が多いことなども報告していました。そのなかでゴミの分別があることを打ち明けていたのですが、その内容がとても細かいようで、ボランティたちを悩ませているそうです」(週刊誌記者)

ネット上でも、こんな声が上がっている。

《石川県能登の被災地で職員が災害ゴミの廃棄に、分別をしろと言ってるらしい、こんな非常時に燃えるゴミとかプラだとか分けててハカドルでしょうか、追い付くのでしょうか、今までの災害復旧でこんなことがあるのでしょうか》

《石川県被災地で倒壊した建物のごみを細かく分別するのは首を傾げる。被災地に限ってごみの選別をもっと緩くしても良いのではないだろうか。》

じっさい、災害ゴミの受け入れ体制はどのようになっているのだろうか。石川県の担当部署に聞いた。

「各市町村で違いはあると思いますが、ほとんどで可燃物、不燃物、金属などおおよそ10種類の分別が行われています。ゴミを分別することにより焼却、リサイクルなどがしやすくなるので処理のスピードが上がります」と意図を説明する。

どうやら処理の効率化を求める行政と、早く災害ゴミを運ぶことを優先するボランティアとの間に齟齬が生じているようだ。

問題提起したボランティの男性はさらに「国の動きがにぶいです。もう少し住民に寄り添い『何をしなくてはいけないか』と考えてほしいです」とも訴えていた。

被災地から出される災害廃棄物の量は通常ゴミの64年分になり、倒壊家屋の撤去には12年かかるとされている。これからも行政とボランティのタッグが重要になる。

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