わずか20秒で終わる『桃太郎』の動画が、4万5000以上のいいねを集めるなどX(旧Twitter)上で話題になっています。
1月31日に投稿された動画は、レトロゲームを思わせるドット絵に気の抜けたような絶妙な音楽を乗せ、童話『桃太郎』をわずか20秒で描き切るというもの。
20秒の動画で桃太郎って説明できるの……?
動画を制作したのは、ローレゾ映像作家の服部グラフィクスさん(@hattori2000 )。
“忙しい現代人のために20秒で終わる桃太郎を作りました”と添えられた動画は、童話『桃太郎』と同様、川へ洗濯へ行くおばあさんと、山へ芝刈りに行くおじいさんの姿から幕を開けますが……。
おばあさんが川で桃を見つけ、桃を持ち帰り、桃を割るまでわずか5秒! 20秒で全て終わせるということで、さすがのスピード感です。
というか、一瞬赤ん坊が真っ二つになったような……?
“北”?
1秒で成長を遂げた桃太郎は、鬼を倒すために鬼ヶ島へ出発。
わずか3秒ほどでイヌ・サル・キジ(ヒヨコ?)を仲間にすると、戦闘シーン全カットで1秒も経たずに鬼ヶ島から金銀財宝を持ち帰ってきます。
は、はやすぎる……。
金銀財宝を持ち帰った桃太郎は、おじいさんおばあさんと幸せに暮らしましたとさ。
めでたし、めでたし……?
「なんというスピード感」「曲がこびりついてヤバい」クセになるハイスピード桃太郎にコメント殺到
動画には
💬「ドット絵とマッチングの良さったらないわ…」
💬「疲れた頭に曲がこびりついてヤバい(褒め言葉)」
💬「鬼退治RTA」
💬「なんというスピード感…」
💬「桃太郎一回真っ二つになってんの草」
など、多くのコメントが寄せられました。
BuzzFeedでは動画を製作した服部グラフィクスさん(@hattori2000)にインタビューしました
――総尺20秒のこの動画ですが、制作期間をお聞かせください。
アイデアを思いついてから仕事と半々ぐらいで作ってましたが気付くと2日後には出来上がっていたという感じです。
――今回の「20秒で終わる桃太郎」を制作のきっかけや経緯などを教えてください。
昔のテレビゲームに馴染みのある方には実感があると思いますが、目の荒いドット絵は見る人の記憶や想像で解像度の低さを補完するような性質を持っています。
一方で『桃太郎』は日本で多くの人によく知られたお話で、その周知性を利用してドット絵の映像情報として極限まで圧縮できないか(できたら愉快なんじゃないか)と思ったのが発端です。
――映像もさることながら、音楽も絶妙で笑いを誘います。こちら楽曲もご自身で制作したのでしょうか?
はい、動画内の音楽は有名な『桃太郎』の童謡のメロディを元に僕自身が素人なりの技術力で作ってまして
「言われてみれば桃太郎かもしれない」というところまで原型を崩しました。
――今回の「20秒で終わる桃太郎」はどのようなソフトで制作されたのでしょうか? 制作過程なども簡単に教えていただけると幸いです。
色調整などの最後の仕上げは動画編集ソフトで行っていますが、今作に関してはそれ以外全てAdobe Photoshopのアニメーション機能で作成しました。
ちなみに48*27画素という、フルHDの1600分の1程度の米粒みたいな解像度でドット絵を描いてます。
――差し支えのない範囲で構いません、ご自身のプロフィールや活動について教えてください。
僕自身実は昨年までゲーム制作の現場でグラフィッカーとして仕事をしていたのですが、今は映像作家としてドット絵のアニメーションを中心とした映像のお仕事を頂いたり今回のような作品をSNSにひたすら投稿するような活動をしています。
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ドット絵であることや『桃太郎』が題材であることも計算ずくの作品だったんですね! あの絶妙なBGMもまさか桃太郎のアレンジだったとは……。
作者の服部グラフィクスさんは、今回の「20秒で終わる桃太郎」以外にも、ドット絵を活かしたさまざまな動画を自身のWebサイト やXにて公開中。