「マドリー、バルサ、バイエルン、プレミア?」韓国戦で大活躍のヨルダン10番に喝采!「欧州有力チームに移籍か」自国紙が期待「父親はマドリディスタ」【アジア杯】

アジアカップ準決勝でヨルダン代表が韓国代表に2ー0で勝利。史上初の決勝進出を果たしたチームでもっとも大きな注目を集めたのが、2点目を決めた10番のムサ・アル=タマリだ。

53分のヨルダンの先制弾は、アル=タマリのドリブルから生まれた。相手のパスをカットしたアル=タマリがボールを運んでラストパス。これをCFヤザン・アル=ナイマトが決めきった。66分には自らの左足でネットを揺らす。自陣から持ち上がったアル=タマリは緩急をつけたドリブルで韓国ゴールに迫ると、ペナルティーエリアの外から鮮やかなミドルシュートを決めて見せた。

得点シーン以外にも、ヨルダンのチャンスにはレフティーのアル=タマリが絡んでおり、まさに獅子奮迅の活躍。この試合のMVPに選出されている。ヨルダンの地元紙『Saraya』によるとアル=タマリは試合後、「この大会を夢見ていた。優勝する運命にあるなら、それは素晴らしいことだろう」と語ったという。

モンペリエでプレーするアル=タマリは、「この結果は個人的な努力だけでなく、チーム全体の成果だ。チームとしてボールを届けてくれて、彼らの努力を前線が完遂した」と振り返り、「ヨルダン代表の選手は誰もが欧州やアラブ、湾岸のリーグで活躍できるだろう」と、チームメイトを称えた。
さらに、「決勝に進めたのは、この試合(韓国戦)に向けて理想的な戦術を練り、自信を持ってプレーするよう求めてくれたフセイン・アムータ監督(モロッコ国籍)のおかげだ。スタジアムで応援してくれたヨルダンのファンも大きな声援でチームを後押ししてくれた」と指揮官やファンに感謝した。

こう語ったアル=タマリについて同紙は、「レアル・マドリー、バルセロナ、バイエルン、そしてプレミアリーグのクラブ。アジアカップでの活躍で、アル=タマリが欧州のトップクラブに移籍する国民の夢が、近いうちに実現するかもしれない。有力クラブのスカウトが今大会を追っているためだ。アル=タマリの父親はマドリディスタ(R・マドリーのファン)だ」と、所属するモンペリエからのステップアップを期待した。

アル=タマリは1997年生まれの26歳で、2018年に自国のクラブから40万ユーロでAPOELニコシア(キプロス)に、20年に110万ユーロでルーベン(ベルギー)に、23年にフリーでモンペリエ(フランス)に移籍。リオネル・メッシのようなプレーぶりで、1年目のリーグ・アンで16試合に出場(先発15)し、3得点・3アシストを記録している。

アル=タマリのプレーは、2月10日に行なわれるアジアカップ決勝でも注目だ。

構成●THE DIGEST編集部

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