小学館は「管理した方がいい」、集英社は「聞き取ろう」 人気漫画家、小学館「社外発信なし」報道に「社風」交え苦言

ドラマ「セクシー田中さん」(日本テレビ系)の原作者で漫画家・芦原妃名子の急死をめぐり、発刊元の小学館が経緯などを社外発信する予定はないと社員に向けて説明していた、と2024年2月7日にスポーツ各紙が報じた。

それを受け、同日、「ラブセレブ」などで知られる人気漫画家の新條まゆさんがXで小学館に対し苦言を呈した。

「小学館声明なしか...残念ですね」

報道を受け、同日、Xでは「芦原妃名子さん急死の経緯」が一時トレンド入り。漫画家による反発や説明を求める声が相次いでいる。

各社報道によると、芦原さんの急死を受け、小学館は6日に社員向けの説明会を実施。経緯などの社外発信は現時点で予定していないとする説明があったという。

新條と小学館の間では、過去にトラブルが起きたことがある。新條さんは08年6月8日付のブログ(現在は削除済み)で、小学館で連載してた際に、編集者らから考え方がおかしいとして1回だけ休載させられたと告白。小学館の仕事を辞めたいと告げると、それまでの出版物を絶版にすると言われたという。新條さんは、「もうHな漫画は描きたくなかった」などとつづっていた。

今回の報道を受け、新條さんはXで以前のトラブルを念頭に

「小学館声明なしか...残念ですね。私が小学館から出るっていうブログを書いて大問題になった時、小学館は朝イチの会議で『作家にあんな偉そうな発言をさせないように管理した方がいい』ってなった。かたや集英社の会議では『こんな事態になる前に作家さんが不満を抱えてないか、聞き取ろう』ってなった」

と小学館と集英社の対応の差を明かした。

「この話は当時、私が小学館を離れても連絡を取り合ってた小学館の編集者がさすがに自社の対応に呆れて教えてくれた。いい編集者って小学館にもたくさんいるし、今でも顔も見たくない人いるけど、社風というのは変わらないのだな。ホントに残念だ」

と小学館に苦言を呈した。

「集英社でちょっとでも嫌な思いをしたこと、一度もないです」

続けて「同じ一ツ橋グループでも小学館と集英社でえらい違いですね」というリプライに対し、「集英社でちょっとでも嫌な思いをしたこと、一度もないです。誰に会っても、どんな偉い人でも感動するほどいい人ばかり」とコメントした。

さらに「社風が変わらない...これみんな言ってるね。以前関わってきた人、今関わってる人さえも。変わるチャンスはあったのに。なにもかもがもう遅い」と不信感をあらわにした。

「漫画家って今、芦原先生のことを考えない日ってないです。悔しくて。すっかり大御所扱いになった今、何ができるだろってずっと思って来ました。この業界を変えなきゃって。だから今、私は出版社とはお仕事してない。作家を守るのは作家なんだって思いを新たにしました。その辺り、もっと発信します!」と意気込み、「発信といっても、過去にあったことの経緯を全部暴露するってことじゃないです」「印税率のこと、アシスタントのお給料を少ない原稿料で漫画家が負担するってこと。いろいろ変えなきゃ」とつづった。

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