今さら聞けない「そもそも調整可能?」パターのライ角について教えて

パターのライ角、気にしたことありますか?

【アマチュアSさんの“今さら聞けない”】
パターのライ角は重要ですか?そもそもパターのライ角は変えられるのでしょうか。どういう人がライ角の調整を検討すべきですか。

意外と重要なパターのライ角

ライ角とは地面とシャフトの間の角度(※画像はオデッセイ「Ai-ONE #7 CHパター」)

【たけちゃん'sアンサー】
パターのライ角はアイアンほどではありませんが意外と重要です。

そもそも、ゲートボールのスティックのようにパターのライ角が90度(地面と直角)であれば、吊るすように持ち真っすぐ引いて戻すだけで良くなり、インパクトでのフェース面の向きが安定しそうですが、そういうわけにはいきません。

簡単になり過ぎるのを防ぐために、ルールでパターのライ角は80度以下でなくてはならないと定められているのです。となると、上限ギリギリの80度が最も簡単なのでは?と考えてしまうのですが、一般的に市販されているライ角は70度付近のものが多いです。

理由については様々な見解がありますが、多くのゴルファーがパットも通常のスイング同様に、フェースを開閉してストロークする方が打ちやすいと感じるからと言われています。80度に近づけば近づくほどシャフトは立つので、アドレスでシャフトを吊るすように構えなければならず、フェースの開閉が少なくなります。結果的にパッティングだけ他のクラブを打つときとイメージが変わるのを避けるために、70度付近が一般的となっているようです。

アイアンほどの影響はないですが、ライが合っていないとクラブの抜けが悪くなり、ボールの転がりも悪くなります。構え方にもよりますが、トウやヒールが極端に浮く人は調整すべきかもしれません。

パターのライ角は変えられるのか

中には金谷拓実のようにあえてヒールを浮かせて打つタイプも…(※画像は2023年マイナビABCチャンピオンシップ)(撮影/奥田泰也)

また、パットの打ち出し方向の90%以上を占めるのはフェースの向きで、多少ではありますがライ角もボールの打ち出し方向に影響を与えます。ですから、引っかかる人はフラットに、押し出してしまう人はアップライトに調整してみてもよいでしょう。

ちなみに、アイアン同様にパターのライ角も基本的には工房で変えられますが、ネック形状などによっては変えられないものもあります。工房によってはそもそもパターのライ角調整を受け付けていない場合もありますので、事前の問い合わせをお勧めします。

また、市販のパターのライ角は基本的に長さによっても変わるので、パターの長さを変更した人はライ角が適正かを確認して欲しいです。通常、短くなる程にアップライトにしないといけません。もしシャフトをカットしたり、伸ばしたりした人はライ角も合わせて変更することをお勧めします。

■ゴルフクラブABCとは
巷には様々なゴルフクラブがあふれ、自分にぴったりの一本を見つけるのは至難の業。そもそもクラブを選ぶにも難しい用語が多く、深く知ることを敬遠している人も多いのではないか。そこでクラブ選びに役立つ「基礎中の基礎=“ゴルフクラブのABC”」を、全国から“患者”が訪れるというすご腕クラブフィッターたけちゃんに分かりやすく教えてもらう。

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