約3000年前の中国古代青銅器、40年ぶりに中国に帰国

約3000年前の中国古代青銅器が40年ぶりに中国に戻りました。

中国国家文物局によると、1984年に盗まれた約3000年前の青銅器1点が、このほど米国から中国に返還されました。専門家の鑑定やかつて撮影された写真や拓片の資料を使った照合と検証を繰り返した結果、この青銅器は西周(紀元前1046年~前771年)時代に作られたオリジナルの豊邢叔簋と判断されました。

豊邢叔簋は、1978年に陝西省宝鶏市扶風県法門鎮の西周末期の青銅器貯蔵所跡から出土した文化財で、高さは18センチ、口径は21センチ、深さは12センチ、重さは6キロです。典型的な西周の青銅器の形状で、簡潔で荘重な時代の風格を持っています。「簋」とは持ち手つきの青銅器の一種で、この簋の中の底に刻まれた「豊邢叔作伯姫尊簋 其万年子子孫孫永宝用」の18文字からなる3行の銘文は、文字芸術としても高く評価されています。製作技術面では、西周の青銅器の鋳造の高いレベルが反映されています。

文化財の管理を担当する国家文物局は2023年1月、駐英国中国大使館を通じて、豊邢叔簋が米ニューヨークに出現したとの情報を得ました。国家文物局は流失した文化財の追跡プログラムを直ちにスタートさせ、所有者のレイモンド・キングさんとその母親と意思疎通を十分にしたとのことです。文化財の背景にある事情を知ったキングさんとその母親は、条件を設けずに中国政府に返還することに同意しました。

中国は、流失した文化財の返還を求めることを非常に重視しており、関連する国際的な取り組みに積極的に参加し、取り組みをけん引しています。そして1989年には国連教育科学文化機関(ユネスコ)の、文化財の不法な輸出入および所有権移転を禁止・防止する手段に関する条約に加盟しました。また中国と米国が2009年1月14日に、中国の文化財の米国への不法入国を防止するための初の政府間覚書に署名して以来、これまでに504点(セット)の中国の文化財が15回にわたって中国に返還されました。(提供/CRI)

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