“伝説”チェンバレン超えのエンビードをはじめ、テイタム、アービングらが球団記録を保持【NBA球団別得点ランキングPart.2】<DUNKSHOOT>

NBAは2024年に入って、ダラス・マーベリックスのルカ・ドンチッチが歴代4位タイの73得点、フィラデルフィア・セブンティシクサーズのジョエル・エンビードが同13位タイの70得点をマークするなど、歴史的なハイスコアゲームが頻発してる。

そこで今回は、NBA全30球団における1試合最多得点のトップ5を紹介。Part.2はシクサーズのほか、セルティックスやニックスなど名門チームが揃う「アトランティック・ディビジョン編」をお届けする。(※記録はすべてレギュラーシーズンのもの)

■フィラデルフィア・76ers
1位ジョエル・エンビード/70得点(2024年1月22日vsスパーズ)
2位ウィルト・チェンバレン/68得点(1967年12月16日vsブルズ)
3位ウィルト・チェンバレン/65得点(1966年2月7日vsレイカーズ)
4位ウィルト・チェンバレン/62得点(1966年3月3日vsウォリアーズ)
5位アレン・アイバーソン/60得点(2005年2月12日vsマジック)

“伝説の巨人”チェンバレンが歴代1位の1試合100得点を記録したのはフィラデルフィア・ウォリアーズ時代の1962年。65年にシクサーズに移籍してからも高得点を連発したが、最高は68点で、今年1月に70得点を叩き出したエンビードが晴れてフランチャイズリーダーとなった。

5位には2000年代のファンにはお馴染みのアイバーソンがランクイン。キャリア9年目の2005年マジック戦では、自己最多となる27本ものフリースローを獲得し、同最多24本を沈めて60点台に到達した。同年は平均30.7点で自身4度目の得点王に輝いている。

球団の歴史で複数回50点超えを記録しているのは、エンビード(8回)、チェンバレン(11回/通算118回)、アイバーソン(10回/通算11回)に、今季2度達成したタイリース・マキシーを入れた4人。なお、プレーオフではアイバーソンが55点、54点、52点でトップ3を独占している。

■ボストン・セルティックス
1位ジェイソン・テイタム/60得点(2021年4月30日vsスパーズ)
1位ラリー・バード/60得点(1985年3月12日vsホークス)
3位ケビン・マクヘイル/56得点(1985年3月3日vsピストンズ)
4位ジェイソン・テイタム/54得点(2022年3月6日vsネッツ)
5位ジェイソン・テイタム/53得点(2021年4月9日vsティンバーウルブズ)
5位ラリー・バード/53得点(1983年3月30日vsペイサーズ)

名門セルティックスも長年、レジェンドのバードが得点記録を保持していたが、現エースのテイタムが2021年にタイ記録の60得点を奪取。テイタムは21~23年の2年間で5度の50点超えをマークし、早くもバードのキャリア通算回数(4回)を上回っている。

ちなみに、その5回の50点超えはすべて年明けの1月以降に達成されたもの。今季は45得点が最高だが、得意のシーズン終盤戦に爆発が見られるかもしれない。

トップ5からは漏れたが、7位には52得点でアイザイア・トーマスがランクイン。175cmの点取り屋は2年半と短い在籍ながら、2016-17シーズンは12月のヒート戦で52得点をあげたほか、プレーオフでも球団2位の53得点を奪っている。■ブルックリン・ネッツ
1位カイリー・アービング/60得点(2022年3月15日vsマジック)
2位デロン・ウィリアムズ/57得点(2012年3月4日vsボブキャッツ*)*現ホーネッツ
3位ケビン・デュラント/55得点(2022年4月2日vsホークス)
4位カイリー・アービング/54得点(2020年1月31日vsブルズ)
5位ケビン・デュラント/53得点(2022年3月13日vsニックス)

ネッツは昨季途中まで在籍していた2大エースがトップ5のうち4枠を独占。1位のアービング(現マーベリックス)は、加入初年度の2019-20シーズンに2度の50点超えをマークすると、21-22シーズンの3月にはキャリアハイ60得点の大爆発。48年の球団史で唯一の60点達成者になっている。

デュラント(現サンズ)も21-22シーズンに3度の50点超え。なかでも4月のホークス戦ではそれまでのキャリアハイ(54得点)を1点上回る55得点を叩き出し、33歳にして自己ベストを更新した。なお、プレーオフでは21年のバックスとのシリーズで記録した49得点が球団記録となっている。

2位に名を連ねるウィリアムズは、ユタ・ジャズからの加入翌年に57得点をあげて当時の球団記録(52得点)を更新。同年は22勝44敗と大きく負け越したが、キャリア最高のパフォーマンスを演じた。

■ニューヨーク・ニックス
1位カーメロ・アンソニー/62得点(2014年1月24日vsボブキャッツ*)*現ホーネッツ
2位バーナード・キング/60得点(1984年12月25日vsネッツ)
3位ジュリアス・ランドル/57得点(2023年3月20日vsティンバーウルブズ)
3位リッチー・ガーリン/57得点(1959年12月11日vsナショナルズ*)*現76ers
5位バーナード・キング/55得点(1985年2月16日vsネッツ)

セルティックス、ウォリアーズとともに、NBAが誕生した1946年からの歴史を誇るニックスで得点記録を保持するのが、昨年5月に引退を発表したカーメロだ。移籍3年目の2012-13シーズンにリーグ得点王に輝くと、翌シーズンに自己最多&マディソンスクエア・ガーデン記録の62得点を叩き出した。

2位のキングの60得点は、クリスマスゲームでのリーグ記録。同シーズンの2月には再びネッツから55得点を奪い、同年は平均32.9点で得点王に輝いている。

3位には現在のチームの主軸を担うランドルが入ったほか、昨年12月にはジェイレン・ブランソンが50得点をあげ、12位タイに名を連ねている。■トロント・ラプターズ
1位フレッド・ヴァンブリート/54得点(2021年2月2日vsマジック)
2位パスカル・シアカム/52得点(2022年12月21日vsニックス)
2位デマー・デローザン/52得点(2018年1月1日vsバックス)
4位テレンス・ロス/51得点(2014年1月25日vsクリッパーズ)
4位ヴィンス・カーター/51得点(2000年2月27日vsサンズ)

1995年創設と比較的歴史が浅いラプターズは、現在は他球団に所属する現役の3選手がトップ3に。1位のヴァンブリート(現ロケッツ)は21年2月のマジック戦で3ポイント14本中11本を成功させ、球団新記録とともにドラフト外選手史上最高スコアを更新した。
2位には今年1月にペイサーズへ移籍したシアカムと、ブルズで活躍するデローザンが並ぶ。デローザンは在籍ラストシーズンとなった18年の1月1日に自身初の50点超え。これは元日に記録された得点としてはリーグ歴代トップだ。

カーターは創設間もないラプターズを人気球団に押し上げた立役者。2000年2月のスラムダンク・コンテストで優勝し知名度を高めると、勢い止まらず、シーズン再開から約2週間後に球団初の50点ゲームを達成した。

なお、プレーオフでは2001年のカンファレンス準決勝、シクサーズとの第3戦でカーターが記録した50得点がトップ。次いで、初優勝を果たした19年、同じくシクサーズとの準決勝初戦でカワイ・レナード(現クリッパーズ)があげた45得点、同シリーズ第7戦の41得点が2位と3位にランクインしている。

構成●ダンクシュート編集部

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