中国からの流出文化財、40年ぶり帰還 西周後期の青銅器

中国からの流出文化財、40年ぶり帰還 西周後期の青銅器

 西周後期の青銅器「豊邢叔簋」。(資料写真、北京=新華社配信)

 【新華社北京2月7日】中国国家文物局は7日、国外に流出していた西周後期の青銅器「豊邢叔簋(ほうけいしゅくき)」がこのほど、北京に無事到着し、40年ぶりに祖国の懐に戻ったと明らかにした。

中国からの流出文化財、40年ぶり帰還 西周後期の青銅器

 豊邢叔簋の内側の底に鋳込まれた18文字の銘文。(資料写真、北京=新華社配信)

 豊邢叔簋は国家1級文物で、陝西省宝鶏市扶風県法門鎮にある西周後期の青銅器窖蔵(こうぞう、穴蔵)から1978年に出土。84年11月に盗まれ、国外に流失したとみられていた。

中国からの流出文化財、40年ぶり帰還 西周後期の青銅器

 豊邢叔簋の上腹部を囲むように施された竊曲文(せつきょくもん)と、腹部の下に施された瓦楞(がろう)文。(資料写真、北京=新華社配信)

 2023年1月に米ニューヨークで見つかり、国家文物局が返還請求手続きを進めていた。所有者のレーモンド・キングさんと母親は文化財が流出した背景を知り、中国政府に無条件で返還することに同意したという。

中国からの流出文化財、40年ぶり帰還 西周後期の青銅器

 豊邢叔簋の内側の底に鋳込まれた銘文。「豊丼(邢)叔乍(作)伯姬尊簋、其万年子子孫孫永宝用」とある。(資料写真、北京=新華社配信)

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 豊邢叔簋の両側に付いた耳の上端に施された巻き鼻の動物の頭を模した装飾。(資料写真、北京=新華社配信)

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