川内原発の地震対策を許可 原子力規制委、九電の申請を「基準に適合」

 原子力規制委員会は7日、九州電力が申請していた川内原発(薩摩川内市)の地震対策の見直しについて「基準に適合している」とする審査書を決定し、申請を許可した。九電は従来より水準を引き上げた基準地震動(想定する最大の揺れ)の設備への影響を確認する詳細な耐震評価を進める。

 会合で委員からの異論はなかった。揺れの最大加速度は従来と比べ、1.1~1.4倍大きくなる。九電は耐震評価に約2年かかると見込んでおり、結果に基づいて設計・工事計画の認可を得る手続きをし、並行して許認可手続きを伴わない耐震工事も進める。

 地震対策の新規制基準では、未知の震源による地震を新手法で評価するよう事業者に求めている。九電は2021年4月、耐震設計の目安となる基準地震動の見直しに伴う原子炉設置変更許可を申請した。今年4月までに許可されなければ稼働停止に追い込まれる可能性があった。

 規制委は耐震工事の完了期限を「2029年4月19日以降、最初に行う定期検査終了日」としている。川内原発は1号機が30年5月、2号機が同7月となる。九電は「必要があれば期間内に追加の工事を実施できるよう引き続き真摯(しんし)かつ丁寧に対応していく」としている。

川内原発の耐震基準見直しを審査する原子力規制委員会の委員ら=7日、東京・六本木

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