米12月貿易赤字、0.5%増の622億ドル 年間では大幅縮小

[ワシントン 7日 ロイター] - 米商務省が7日発表した昨年12月の貿易収支の赤字額は前月比0.5%増の622億ドルだった。市場予想の622億ドルに合致した。

11月の赤字額は632億ドルから619億ドルに修正された。

12月の石油輸出額はインフレ調整後で15.9%急増し、過去最高を記録。米国の主要産油国としての地位の上昇を示した。米国は現在、石油の純輸出国となっており、石油輸入への依存度が減少し経常赤字の縮小に寄与している。

エコノミストは、紅海での海運の混乱やパナマ運河の干ばつがリスクとなるものの、2023年の国内総生産(GDP)成長率に寄与した貿易は、24年もおおむね経済を下支えすると予想している。

オックスフォード・エコノミクスのエコノミスト、マシュー・マーティン氏は「貿易は、第1・四半期の経済成長に引き続きプラスに寄与するとみている」とした。ただ、世界的な海運の混乱がもたらす最大のリスクは、モノの価格上昇だとも指摘した。

2023年通年の貿易赤字は18.7%減の7734億ドル。2009年以来14年ぶりの大幅な縮小となった。輸入が減少する一方、輸出は増加した。対国内総生産(GDP)比率は2.8%だった。2022年の3.7%から低下した。

貿易は昨年の経済成長率2.5%に0.5%ポイント以上プラス寄与した。

通年の輸出は1.2%増の3兆ドルと過去最高を記録。資本財、自動車、部品・エンジン、消費財などがけん引した。

輸入は、石油を含む工業用品と消費財が減少したため、3.6%減の3兆8000億ドルとなった。

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