スウェーデン、ノルドストリーム爆発の捜査中止

Johan Ahlander Anna Ringstrom

[ストックホルム 7日 ロイター] - スウェーデン当局は7日、ロシアから欧州へ天然ガスを送る海底パイプライン「ノルドストリーム」で2022年9月に起きた爆発に関する捜査を中止した。

ノルドストリームはバルト海の海底のスウェーデンとデンマークの経済水域で爆発し、大量のメタンガスが大気中に放出された。

22年2月にウクライナへの侵攻を始めたロシアと、西側諸国は互いを指弾している。ともに爆発への関与を否定した。

スウェーデンのマッツ・ヤングビスト検事はロイターに対して「私たちは何が起こったのかの情報を持っており、その内容を詳しくは言えないが、私たちには(捜査の)権限がないという結論になった」と説明。「この捜査を続けることはスウェーデンの任務ではない」と語った。

ヤングビスト氏は主な任務はスウェーデンまたは自国民が攻撃に関与したかどうかを確認することだったとし、「質問への答えは『ノー』であり、スウェーデンの安全保障を脅かすようなことは何もない」と発言。爆発は国際水域で起こったとも指摘した。

ヤングビスト氏は捜査が広範囲に及び、捜査結果はドイツ当局と共有したものの、秘密保護法によって証拠を公表することはできなかったと述べた。

デンマークとドイツも別途調べており、ドイツ政府の報道官は同国が解決に引き続き関心を持っていると言及した。

デンマーク警察は7日、より多くの捜査情報を「近いうちに」提供するとの見通しを示した。

ドイツは昨年7月に国連安全保障理事会で、爆発物の運搬に使われた可能性のあるヨットで海底爆発物の痕跡を見つけたと説明。訓練を受けたダイバーがノルドストリームに爆発物を取り付けた可能性があると指摘していた。

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