成田空港会社/新旅客ターミナル総延べ最大120万平米、「新しい成田空港」構想

成田国際空港会社は、同空港の既存ターミナルを集約する「新しい成田空港」構想で、新旅客ターミナルの施設規模や新駅のイメージを示した。新ターミナル全体の延べ面積は100万~120万平方メートルと試算した。新旅客ターミナルに接続する新駅も構想に盛り込んだ。夏ごろまでに提言をまとめる見通し。田村明比古社長は「提言をベースにさまざまな主体とともに検討を深めていきたい」と述べた。
新ターミナル本館は、出発ロビーやリテールエリア、保安検査場や出国審査場などの各機能面積を考慮し、建築面積15万~20万平方メートル程度と試算した。固定ゲート数は現在の70から100に増やし、年間発着回数50万回に対応できるようにする。総延べ床面積は「さらにコンパクトに」なるよう検討していくという。
新ターミナルの形状は「ピア型」と「サテライト型」を提示した。旅客利便性やオペレーション機能などで評価し、さらに具体化していく。
新旅客ターミナルの候補地は第2旅客ターミナルの南側。段階的に整備する。ステップ1として、第2ターミナル南側に新旅客ターミナルの半分を整備し、第2、第3ターミナルと暫定的に接続する。新ターミナルと接続する新駅の運用も想定している。
ステップ2で本館部分に着手。ステップ3以降は需要に応じて整備を進める。新ターミナルに接続する新駅について同社担当者は「あった方が望ましい。関連機関との具体的な協議はこれから」とした。
6日、同社や学識者らでつくる「『新しい成田空港』構想検討会」(委員長・山内弘隆一橋大学名誉教授)の第6回を開いた。同検討会は2023年3月までに5回開催し、同3月に作成した全体構想の中間取りまとめを踏まえ、同社が検討してきた内容を議論した。同会議は今後、新貨物地区や空港アクセス、地域共生・まちづくりをテーマに議論を重ねる。夏ごろまでに提言をまとめた後、関連機関との協議を進めてさらなる深度化を図るという。

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