アジア杯帰りの久保建英のプレーに現地メディアの評価は? 疲労と徹底マークに苦しむも決定機も演出「信じられない!」

現地時間2月6日に行なわれたコパ・デル・レイ(国王杯)準決勝のファーストレグ、レアル・ソシエダはホームのマジョルカ相手に多くのチャンスを創るも、これらを活かせないままスコアレスドローで試合を終え、27日のリターンマッチで雌雄を決することとなった。

アジアカップでの戦いを終えた久保建英は、先月2日のラ・リーガ節19節アラベス戦以来となるソシエダでの試合にスタメンとして臨み、やはりと言うべきか長期離脱の影響は否めない部分があったものの、一方で巧みなプレーからのチャンスメイクでチームに貢献した場面もあり、FWウマル・サディクの連続での決定機逸がなければ、アシストを記録していたところだった。

現地メディアの評価を見ると、マドリードのスポーツ紙『MARCA』は、「日本人選手は、自国代表チームでの試合の疲れと、常に2人がマークにつく相手の堅い守備に苦しんだ。そのため、前半では輝くことができなかったが、その後はふたりの攻撃の仲間とともに、『チュリウルディン』の最も危険な攻撃を主導した」と、彼の90分間のプレーを振り返っている。

一方の『AS』紙は、「最初の数分間は非常に活発で、攻撃陣の前線で自由に動いていた久保も、時間の経過とともに影が薄くなっていった」とポジティブな点はあまり多くなかったという見解で、3点満点の採点では「1」止まりとなった(ちなみに“戦犯”に挙げられたサディクは採点なし=0点)。

続いてバルセロナのスポーツ紙『MUNDO DEPORTIVO』は、ライブ実況の記事で「アンデル・バレネチェアと完璧なカウンターを繰り出した」などと彼の好プレーを紹介。また、「久保とアマリ・トラオレの間で上手く壁パスが通ったが、何も起こらなかった。SB(トラオレ)は、日本人選手と同じように連係するためのクオリティーを持っていない」という形で、久保の能力の高さを強調している。

また個別評価の記事では、「トラオレ同様、試合にフィットして影響を与えるのに苦労した。前半は非常に地味だったが、後半ではピッチの中央に侵入するようになり、ホームチームの守備陣に危険と不安をもたらすようになった」と評し、時間とともにプレーが改善されたことから「成長著しい」と彼のプレーを表現した。
ラジオ局『Cadena SER』は、マジョルカの視点から「ホームチームは明確な戦略を持っていた。彼らの使命は、ラ・レアルに上手くボールを回させないこと、そしてタケ・クボを封じ込めることだった」と綴り、サディクに決定機を提供した場面を「信じられない! タケが素晴らしいボールをサディクに提供し、FWは狭いエリアでフィニッシュも、クロスバーを越える。とても分かりやすい、明らかな失敗だ!」と伝えている。
バスクの地元紙『noticias de Gipuzkoa』は、10点満点の採点で及第点の「6」を与え、寸評では「彼は試合に馴染むのに苦労した。時差ボケ、コンディションの不安定さ、そして彼がセットプレーでプレーを指揮できなかったのは不安な兆候だった。しかし彼は、サディクに決定的なチャンスをプレゼントした」と、厳しい状況の中でも最低限の仕事を果たしたと評価した。

最後に、サッカー専門サイト『El Desmarque』は、「前半はほとんど存在感なし。あまり動きがなく、静かだった。その後、ポジションをセンターに変えてプレーすると良くなったが、疲労が感じられた。終盤には、バレネチェアとポジションを入れ替えた」と久保のプレーを総括し、採点はこちらも「6」としている。

また同メディアは、久保にとって古巣との対決ということで、ホームチームのサポーターが彼について「我々のクビート(「小さな久保」の意)」「チャンピオンズ・リーグに出場できるようなチームでプレーすることで、タケの能力が爆発した」と語るなど、今でも好意を抱いていることを紹介した。

構成●THE DIGEST編集部

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