【北海道】節分の“豆まき”に「大豆」は使いません! ←一体ナニをまいてるの? 研究者に真相を聞く

節分の豆まき、“大豆以外のモノ”がまかれている地域が存在

2月を代表する伝統行事「節分」。恵方巻(巻き寿司)や節分イワシ(焼きイワシ)など地域や年代によって食されるものはさまざまですが、「鬼は外、福は内」という掛け声とともに大豆をまき厄をはらう“豆まき”は全国共通のものだと筆者は思っていました。しかし、その豆まきすらも地域ごとに違いが存在していたのです。

【写真】北海道では節分に「コレ」をまきます

今回調査したのは北海道。この地の生活を研究し、節分文化についても長年調査をおこなってきた「北海道博物館」(北海道札幌市)の学芸部長・池田貴夫さんに話を聞きました。

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なんと北海道では、カラつきの落花生を使います。全国的には煎った大豆をもちいる豆まきですが、なぜ落花生なのでしょうか?

「約25年の調査でいろいろな人に理由を聞いてきましたが、大きく3つの理由に分類できます。▼殻つきなので床に落ちたものを食べても清潔▼殻つき落花生は大豆より大きいから片づけやすい▼炒り大豆よりおいしくやわらかい.....とのことです」(池田さん)

節分に落花生をまく文化は北海道全域で浸透しているそうですが、決して局地的なものではないと池田さんは言います。

「落花生を使うのは北海道に限った話ではありません。東北地方・新潟県・長野県北部、さらに九州南部(鹿児島県・宮崎県・熊本県)でももちいられています。降雪量が多い地域で撒かれているようにも思えますが、九州南部といったあまり雪の降らない地方も入っているので、雪が直接の理由になっているかは定かではありません」(池田さん)

さらに、北海道では「チョコレートを投げる」という噂も耳にしました。同じく2月のメジャーイベント「バレンタインデー」を想起する風習ですが、実際におこなわれているのでしょうか?

「落花生と同じく、北海道に限らず全国的にチョコレートをまく家はあるようです。実際に子どものいる家庭でチョコレートをまいているという回答を多くいただきました。スーパーの節分コーナーでも、チョコレートをはじめマシュマロや飴といったお菓子が一緒に売られているのを見かけます」(池田さん)

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北海道での節分文化について調査をしてきた池田さんは「全国的にだんだん落花生をまく地域や家庭が広がってきた感覚はあります」と語ります。関西では今のところ大豆での豆まきが主流ですが、もしかすると数年後には落花生をまく風習が取り入れられているかも.....?

(取材・文=つちだ四郎)

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