米上院が国境警備強化法案を否決、ウクライナとイスラエル支援は別途採決へ

Patricia Zengerle Makini Brice Richard Cowan

[ワシントン 7日 ロイター] - 米議会上院本会議で7日、移民規制のための国境警備強化法案の採決が実施され、承認に必要な60票の賛成が得られず否決された。

法案にはウクライナとイスラエルに対する追加支援条項も盛り込まれていた。ただ両国支援については別途法案化され、再び採決が行われる予定だ。

野党共和党は以前から、ウクライナとイスラエルへの追加支援に動くなら、有権者が最も懸念している米国・メキシコ国境の不法移民流入に歯止めをかける対策を講じるべきだと主張。ただ与野党協議を経て4日に法案が公表されると、多くの共和党議員はすぐに反対の姿勢を示していた。大統領選の共和党候補指名争いで優位に立つトランプ前大統領も、議員らに一切譲歩しないよう促した。

こうした中で実際に行われた採決では、49人の共和党上院議員のうち賛成に回ったのはわずか4人にとどまった。

与野党協議に加わっていた共和党のジェームズ・ランクフォード上院議員は「この問題を解決するには時期が悪い。大統領選に解決を委ねようではないか」と語った。

上院は国境警備に関する条項を削除した960億ドルの同盟国支援法案を7日に採決する見通しだったが、少なくとも8日まで延期された。共和党が国境に関する議論を復活させ、ウクライナ・イスラエル支援条項に変更を加える修正案を協議していることを受けた。

共和党のジョン・コーニン上院議員によると、国境警備と同盟国支援の配分について修正案提示を目指している。

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