米ディズニー、10─12月期は利益が予想上回る ゲーム大手に出資へ

Dawn Chmielewski Lisa Richwine

[ロサンゼルス 7日 ロイター] - 米メディア・娯楽大手ウォルト・ディズニーが7日に発表した第1・四半期(10─12月)決算は、テーマパーク部門の好調とコスト削減で利益が市場予想を上回った。時間外取引で株価は7%上昇した。

ボブ・アイガー最高経営責任者(CEO)は人気ゲーム「フォートナイト」を開発する米エピックゲームズに15億ドルを出資すると発表した。ディズニーやピクサーなどのキャラクターと交流できる「巨大なディズニーの世界」を作り上げると説明した。

今年度に30億ドルの自社株買いをする計画や5割の増配も発表した。

スポーツ専門放送局ESPNの配信サービスについては、2025年8月から開始する可能性が高いとした。

アイガー氏は声明で「1年前にウォルト・ディズニー・カンパニーを持続的な成長と株主価値創造の時代に戻すという野心的な計画を打ち出した」とし、今回の好調な四半期決算はディズニーが成長の新時代に入ったことを示していると述べた。

<「ディズニー+」加入者は大幅減>

第1・四半期の特別項目を除いた1株当たり利益は1.22ドルで、市場予想の0.99ドルを上回った。

売上高は235億ドルと前年比横ばいで、市場予想の236億ドルを下回った。

第1・四半期に事業全体で5億ドルのコスト削減を行ったとし、今年度末までに75億ドルを削減する目標を達成できるとした。

テーマパークと消費者向け製品を含むエクスペリエンス部門は売上高、営業利益、営業利益率が過去最高を記録した。

テーマパーク部門の売上高は91億ドル、営業利益は31億ドルだった。香港と上海で新アトラクションを開設したことで入場者が増え、フロリダ州オーランドの落ち込みを相殺した。

ストリーミング事業については、9月までに黒字化するという当初目標を維持した。第1・四半期の同事業の営業損失は1億3800万ドルで、前年同期の約10億ドルから大幅に縮小した。

主力動画配信サービス「ディズニー+(プラス)」の加入者は10月の値上げが響き130万減少し、アナリスト予想(70万人減)の2倍近く落ち込んだ。

第2・四半期の加入者数は550万─600万人増加すると予想。ユーザー1人当たりの売上高も増加を見込んでいる。

テレビ事業、動画配信、映画を含むエンターテインメント部門の売上は前年比7%減の99億8000万ドルだった。

ESPNなどのスポーツ部門は、インド部門の赤字が膨らみ1億0300万ドルの営業損失を計上した。

<物言う株主の圧力>

ディズニーは米著名アクティビスト(物言う株主)ネルソン・ペルツ氏からの圧力に直面している。同氏は、ストリーミング事業の収益をネットフリックスに対抗できるよう改善することなどを求めている。

ペルツ氏は株主に対し、自身と元ディズニー幹部のジェイ・ラスロ氏を取締役に加えるよう求めている。

ペルツ氏率いるトライアン・ファンド・マネジメントの広報担当者はディズニー決算について「デジャブ(既視感)の繰り返しだ。昨年もこの『映画』を見たが、結末が気に入らなかった」と述べた。

フォックス・コーポレーション、ディズニー、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)の米メディア3社は6日、共同でスポーツ専用の動画配信サービスを立ち上げると発表した。

アイガー氏はCNBCテレビに「われわれの会社や資産、そしてディズニーブランドの本質さえも理解していない活動家に時間やエネルギーを奪われることは今のわれわれにとって一番避けたいことだ」と語った。

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