バルセロナ、ブライトンの三笘薫に熱視線? 夏の移籍市場に向けた3つの補強ポイントとは

バルセロナが、ブライトンに所属する日本代表MF三笘薫をリストアップしているようだ。カタルーニャ州のバルセロナを拠点とする現地メディア『スポルト』が7日に報じた。

今回の報道では、バルセロナのSD(スポーツ・ダイレクター)を務める元ポルトガル代表MFデコ氏の、来季に向けた構想の一部が伝えられた。今季限りでシャビ・エルナンデス監督が退任することが発表された中、最優先しなければならないのは空席となる監督の座だが、後任については数週間以内の解決を目指しているという。

同時に来季に向けたチームづくりも進めていかなければならない。現状では元スペイン代表DFマルコス・アロンソと同MFセルジ・ロベルトが今季限りで契約満了を迎えるが、前者については退団が濃厚で、後者も新監督の意向次第ではクラブを離れる可能性がゼロではないという。他にも、財政問題に悩まされていることもあり、複数の選手を“現金化”する必要に迫られていることが伝えられた。

一方で、補強ポイントとしては左サイドバック、ピボーテ、左ウイングが挙げられた。基本的には“ラ・マシア”(バルセロナの育成組織)で育った選手たちを中心に、退団する選手の穴を埋めていく方針ではあるものの、カバーしきれない可能性があるのがこの3つのポジションだという。

ピボーテに関しては、ラ・リーガで旋風を巻き起こしているジローナの中心に君臨し、昨年11月にはスペイン代表デビューも飾ったMFアレイクス・ガルシアに熱視線を送っていることが報じられている。左サイドバックと左ウイングについては、現在マンチェスター・シティからレンタル移籍加入中のポルトガル代表DFジョアン・カンセロ、同FWジョアン・フェリックスの去就に左右されると指摘。両選手の完全移籍での買い取りに動きつつも、“プランB”としていくつかの候補が浮上している。

左サイドバックでは“カンテラ”育ちのU-20スペイン代表DFエクトル・フォルトがトップチームで出場機会を得るようになったことから、優先度はあまり高くない模様だ。主力に君臨していたものの、現在は長期離脱中のスペイン代表DFアレハンドロ・バルデの帰りを待ちつつ、ラス・パルマスに所属するDFセルジ・カルドナをフリートランスファーで迎え入れることを画策している。

左サイドバックとは異なり、左ウイングは優先すべき補強ポイントだという。“プランB”として複数の候補が浮上している伝えられたが、その候補の中に、三笘の名前も含まれているようだ。当初、バルセロナはアスレティック・ビルバオに所属しているスペイン代表FWニコ・ウィリアムスの獲得を目指していたが、同選手は昨年12月にクラブと2027年6月30日までの新契約を締結。同じく関心を示していたジローナのU-20ブラジル代表FWサヴィオ・モレイラについても、今夏にはシティ・フットボール・グループ(CFG)傘下のマンチェスター・シティへのステップアップが濃厚と報じられた。

このような状況の中で、デコSDは三笘を獲得候補の1人として注目しているという。現時点で具体的な動きがあるわけではないものの、現在ブライトンへレンタル移籍中のスペイン代表FWアンス・ファティを含めた条件で獲得に乗り出す可能性があるようだ。

現在26歳の三笘は、川崎フロンターレを経て2021年夏にブライトンへ完全移籍加入。1年目はベルギーのユニオン・サン・ジロワーズへレンタル移籍に出たものの、2022-23シーズンからチームに復帰すると、徐々に存在感を発揮。シーズン途中から就任したロベルト・デ・ゼルビ監督の下でさらに成長を遂げ、同シーズンは公式戦通算41試合の出場で10ゴール8アシストをマーク。ブライトン史上初となる欧州カップ戦出場に貢献した。今シーズンも開幕直後から不動の地位を築いていたものの、昨年12月に足首を負傷。今年1月からはAFCアジアカップカタール2023を戦う日本代表に合流するためチームを離れたが、その時点では公式戦24試合のピッチに立って3ゴール6アシストを記録していた。

なお、ドイツの移籍市場専門サイト『Transfermarkt』によると、三笘の現在の史上価値は5000万ユーロ(約80億円)ほど。ブライトンとの現行契約は2027年6月30日まで残っており、ブライトンは満額に近い金額を要求すると予想される。バルセロナの財政状況を考慮すると、J・フェリックスの去就、来夏の選手の売却状況、そしてファティを含めた交渉に拠るところが大きそうだ。

現時点では具体的な話まで発展しておらず、未だ構想の段階であることがうかがえるが、三笘のバルセロナ行きの噂はここから進展していくだろうか。今後の動向に注目だ。

【ゴール動画】三笘薫が2得点を挙げた第6節ボーンマス戦

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