ルネサス19年ぶり復配、社長「慎重に上げる」 M&Aと両にらみ

Miho Uranaka

[東京 8日 ロイター] - ルネサスエレクトロニクスは8日、約19年ぶりに復配すると発表した。会見した柴田英利社長は今後の配当について「安定的に慎重に上げていきたい」とした上で、「配当一辺倒ではなく、株主還元とM&A(合併・買収)の両にらみでバランスを見ながら進める」と話した。

2023年12月期の期末配当額は1株当たり28円。05年3月期以来、無配を継続してきたが、財務体質の改善により配当を再開する。発行済み株式総数の約4.5%に当たる約8783万株の自己株式の消却も公表した。

23年12月期連結純利益(国際会計基準)は、前年比31.4%増の3370億円だった。グループ会社間の資金管理方法の変更による為替差損の縮小などが要因。

24年1―3月期の売上収益は3375億―3525億円(前年同期比6.2%減―2.0%減)との見通しを示した。通期の業績予想は非開示。

柴田社長によると、パソコン向け半導体の調整が継続する一方で、自動車向けは堅調な需要が続く。販売に占める割合は数%と小さいものの、AI(人工知能)関連の需要が大きく立ち上がる中、供給が追いつかないリスクもあるという。

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