【姫路市】市長らが語る魅力と展望 スポーツで地域活性化 食文化や少子化対策 万博関連の取り組みも

清元姫路市長ら、兵庫・姫路市のリーダーが2024年の抱負

兵庫県姫路市の清元秀泰市長がこのほど、女子バレーボールチーム ヴィクトリーナ姫路の上原光徳 代表取締役社長、神戸新聞社執行役員で姫路本社代表の鑛(あらがね)隆志氏とラジオ関西(兵庫県神戸市)の特別番組で対談し、昨年の取り組みに触れながら、姫路市のスポーツ、グルメ、観光、少子化対策などについて語りました。

【写真】優美な天守を誇る「姫路城」 2023年に世界遺産登録30周年を迎えた

◆姫路城世界遺産登録30周年
姫路城は2023年に世界遺産登録30周年を迎えました。姫路市内は、同年5月の「平成中村座姫路城公演」を皮切りに、「特別版 お城EXPO in 姫路」(同9月16日~18日)や「姫路お城まつり」(同11月10日~12日)、大手前通りのイルミネーションイベント(同11月22日~2024年2月29日)といった多彩なイベントの開催により、大勢の観光客で賑わいました。鑛氏は「姫路市のポテンシャルの高さ、コロナからの立ち上がりを認識しました」と話し、清元市長も「市民の笑顔を見ることがこんなにも楽しいことなのかとつくづく感じました」と語りました。

◆スポーツの持つ力で地域活性化を
2023年の兵庫県は、プロ野球阪神タイガースやオリックス・バファローズ、サッカーJ1・ヴィッセル神戸の活躍により喜びに沸いた年となりました。清元市長は「スポーツの持つ夢や希望を与える力に感動しました」と思いを声にしました。姫路市では今年7月頃にウインク球場(姫路市立姫路球場)のナイター設備の竣工、また同月20日に「プロ野球フレッシュオールスター2024」の開催が予定されています。

「本当にありがたく、もっと頑張らなくちゃいけない」と決意表明したのは上原社長。ヴィクトリーナ姫路は、(バレーボール女子)Vリーグ2部(V2)での優勝と、今年始まる新リーグ「SVリーグ」への参戦・奮戦を現在の目標としています。目標の実現に向けて上原社長は、市長や姫路市民のおかげで戦えていることへの感謝を述べました。一方、課題としてファンの増加を挙げ「客席を埋めるくらいの力をつけて、姫路のスポーツ振興につなげていきたい」と前を見据えました。

姫路市では現在、2026年完成を目処に5000席規模のアリーナを建設中。清元市長も「地元スポーツチームのバックアップを惜しみなくやっていくつもりです」と話しました。

◆姫路が誇る食文化
姫路グルメについて、清元市長は「ひねぽん」(炙ったひね鶏=親鳥の肉をぽん酢で合えた料理)「鯛のあら煮」が好きとし、上原社長は、好きなのは「姫路おでん」や「えきそば」、今後食べてみたいものに「ぼうぜ鯖」(家島諸島に属する坊勢島で養殖されたマサバ)を挙げました。

清元市長は「姫路の食材がこんなにもおいしいのは、恐らく“日本酒のふるさと”だからではないか」と述べ、鑛氏は「姫路は素材そのものがとても優れていると感じます。今後はブランドとしての魅力をどのように高めていくか」と課題提起もしました。

また昨年は、駐フランス日本大使公邸でのレセプションパーティ(共催:在フランス日本国大使館、協力:兵庫県)で、「GIはりま」(※)や播磨地域の食、地場産品のPRを行ないました。日本酒に合うと好評だったのが、かまぼこなどの練り製品です。清元市長は「こうした酒に合うグルメを通じ、姫路での滞在期間を楽しめることが地域振興につながるのでは」との考えを示しました。

※GI(ジーアイ):地理的表示。地域ならではの要因との結びつきを有する産品について、生産地や特性とともに、農林水産大臣が登録。(農林水産省ホームページより)

◆万博に向けて展開の「ひょうごフィールドパビリオン」
2025年に開催予定の大阪・関西万博に向け、兵庫県では、今ある観光資源をパビリオンに見立てた「ひょうごフィールドパビリオン」が各地で展開されています。県内約160の場所が設定されており、姫路市内には15か所が存在します。

たとえば、姫路の地場産業である皮革産業。銀イオンを含む川の水を使ってなめされる“姫革”は美しい白色が特徴です。清元市長は「五感を使って感じていただくことが大事。革の生産工程などを実際に体験することで、社会の営みを姫路で感じてもらう……これがフィールドパビリオンの重要な役割」と取り組みの意義を説明しました。

数あるプログラムの中でも気になるスポットに、上原社長は、「e-bikeサイクリングツアー旧街道をゆく姫路城下町めぐり」と「坊勢島 漁業見学&体験ツアー」を挙げました。鑛代表は「匠の世界を体験できるプログラムがいい。ぜひとも訪れて、街全体に触れる機会にしていただけたら」と話しました。

◆少子化対策・子育て支援
コロナ禍により、マッチングアプリが新たな出会いのカタチになりつつある昨今。姫路市では“出会い”を応援するため、株式会社リクルートと、結婚支援に関する連携協定を締結しました。

以前は「行政が介入するのはどうなのか」と疑問を抱えていたという清元市長。その後、むしろ出会いのための場所を提供し、出会いの場を作ることこそが少子化対策につながるとの考えに至ったのだそうで、「大手前通りのイルミネーションなど美しい夜の姫路を、デートスポットとして活用してほしい」と提案しました。

上原社長はスポーツを通した子どもたちの人間形成、子育て支援について話し、小中学生対象のアカデミーや、夏休みを利用した中学生対象の部活支援など、子どもたちの積極的な応援活動を続けていきたいと意気込みました。鑛氏は「若い方がいないと街が活性化しない。若者の行動が社会の起爆剤となり、その受け皿として官民で地域の魅力を高めていくことが重要」と応じました。

清元市長は結びに、「激動の世の中で、姫路は世界に向けた発信が大事。平和だからこそ、文化や芸術、スポーツなどあらゆるものが花開きます。平和の都市・姫路をよりアピールし、世界中から姫路を訪れる人に『なんて平和で素晴らしい都市なんだ』と感じていただけるよう邁進していきたい」と語りました。

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