滋賀県内の特殊詐欺被害が過去最悪を更新 最も被害の多い手口は

滋賀県警本部(大津市)

 昨年中に滋賀県内で確認された特殊詐欺の被害は、発生件数、被害金額とも前年を大きく上回り、過去最悪を更新したことが26日分かった。件数は266件(前年132件)、金額は約6億2400万円(同約3億2400万円)を記録して、いずれも前年比でほぼ倍増しており、被害の深刻さが改めて浮き彫りになった。

 滋賀県警は昨年、1年間の特殊詐欺被害を80件に抑える目標を設定していたが、実際は目標の3倍以上の被害が発生した。

 滋賀県警生活安全企画課によると、被害の中で特に多いのは「架空請求詐欺」の142件で、被害金額は2億800万円余り。パソコン画面などに表示された偽の警告メッセージの指示に従って相談窓口に電話すると、料金を請求される「サポート詐欺」の被害が半数を占める。

 投資に関するSNS広告をクリックした人が「勉強会」などを称するグループに招待され、投資名目で現金を詐取される「金融商品詐欺」は、前年の1件から31件に急増した。被害金額も前年は400万円ほどだったのが、昨年は2億8500万円に上った。

 滋賀県警は「暗号資産や金融商品の取引は公的機関への登録が必要。必ずもうかる、絶対に失敗しない、他人にもうけ話を教える、といったことはあり得ないので詐欺を疑ってほしい」と呼びかけている。

 一方、金融機関の職員やコンビニ店員が声を掛けたり、家族や知人が詐欺を疑ったりして被害を阻止した件数を基に算出した「阻止率」は、68%(目標値70%)に上ったという。阻止率をさらに高めるため、県警は行政や金融機関、コンビニなど関係機関との連携を強化している。

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