破壊的な笑顔で視聴者の心を掴むチェ・ジョンヒョプ 『無人島のディーバ』など出演作5選

目が合った相手の心の声が聞こえる女性と、年下の韓国人留学生を描くドラマ『Eye Love You』(TBS系)が話題を呼んでいる。第2話で最終話手前のような爆速展開が面白く、チェ・ジョンヒョプ演じる年下男子の真っ直ぐなアプローチに毎話悶絶してしまう。

さらに韓国語でナレーションのように入る彼の心の声が心地よく、つい字幕が付いた“心の声”バージョンも観ずにはいられなくなる。劇中では、破壊的な笑顔で視聴者の心臓を鷲掴みにし、彼のえくぼに浸かりたい……と思ってしまうほど魅力的なキャラクターを演じている。本記事では、そんな今大注目のチェ・ジョンヒョプの出演作を紹介していきたい。

■『無人島のディーバ』

『無人島のディーバ』は、身体の傷を隠すために夏服を着ることができずにいた2人の同級生が、暴力を振るう親から離れようとし、1人は遭難して無人島暮らしとなり、もう1人は名前を変え行方不明となるところから始まる物語。答えのない問いを繰り返す人生の歩き方を描くような作品で、「できるはずがない」を「できる」に変えるための一歩を踏み出す瞬間を映し出していく。

『ホテルデルーナ~月明かりの恋人~』の監督と『スタートアップ:夢の扉』『あなたが眠っている間に』の脚本家がタッグを組んだ一作で、自問自答の日々にしゃがみ込んでしまいたくなる時こそ“あと5分、もう50分、もう5時間……”と歩む主人公から勇気をもらえる作品だ。

無人島で主人公のソ・モクハ(パク・ウンビン)を見つけた兄弟の弟カン・ボゴルを演じるのがチェ・ジョンヒョプだ。テレビ番組のプロデューサーで、いつもは飄々とした雰囲気を纏いながらも、周囲に心配をかけまいと悲しみを1人背負いながら生きようとする。誰よりもモクハを想い続け応援する姿が印象的で、彼女の前では心が解放されありのままの表情を見せていくのが見どころの一つ。傷ついて涙したり、愛が溢れて止まらないくらいに微笑んだりする彼の表情演技を最後まで堪能いただきたい。

■『時速493キロの恋』

自分自身を信じることができずに苦しむバドミントン選手たちの葛藤や成長、愛情を描く『時速493キロの恋』。ある事故によって突然バドミントンの世界から姿を消した天才少女が、過去に向き合おうと復帰するところから物語は動き出す。どれだけ傷ついても、たった1人自分を信じてくれる人がいれば生きていける、ということを伝えてくれるような一作で、仲間との絆や甘くて苦い恋愛が見どころの一つだ。また、迫力のある試合シーンも見逃せない。

チェ・ジョンヒョプは、優秀な姉の弟として生まれ、常に敗北感を背負うバドミントン選手パク・テジュンを演じる。幼い頃から姉の影に隠れて育ち、自分の才能を信じることができずにいたが、主人公パク・テヤン(パク・ジュヒョン)との再会によって凄まじい成長を遂げていく。また、テヤンとの恋愛はニヤニヤが止まらず、ストレートな愛情表現や、“充電ハグ”、自分の上着の中へ包み込むバックハグなど、数々の名シーンに気がづけば彼の深い沼へと両足がはまってしまっていると思う。

■『わかっていても』

『わかっていても』は、美大を舞台に、友達以上恋人未満の関係を始める男女を描いた物語。失恋中の主人公ユ・ナビ(ハン・ソヒ)が、どこかつかみどころのない男性パク・ジェオン(ソン・ガン)と出会い、惹かれ合いながらも、関係性の曖昧さとすれ違いを丁寧に映し出していく。各話のタイトルに“わかっていても”とつくように、期待しても無駄だと頭では理解していても、自分の気持ちを抑えきれない主人公の葛藤を描く本作。愛とは何かをテーマに、登場人物たちが自分たちの答えを出していくのが見どころの一つで、映像の美しさも見逃せない。

突然だが、チェ・ジョンヒョプの名前を聞くと、「じゃがいも」を想像してしまう方もいるのではないだろうか。本作で、料理を学び麺店で働くドヒョクを演じるのがチェ・ジョンヒョプだ。ナビとの再会シーンでは、バスの中でじゃがいもを転がせてしまい、慌てて拾うシーンが印象的だ。トレーナーのポケットにパンパンに詰め込み、照れ癖そうに微笑むまでの展開が破壊的な可愛さで、一気に沼落ちしてしまうと思う。一途で優しさ溢れるキャラクターで、ナビとの結末はネタバレになってしまうため、是非本編で確認いただきたい。

■『魔女食堂にいらっしゃい』

対価を支払う代わりに自分の願いを叶えてくれる魔女食堂を舞台にした短編物語『魔女食堂にいらっしゃい』。“幸せは自分で決めるものであり、人生は長い目で見るものだ”と語りかけられるような一作で、残酷すぎる対価を引き換えにしながらも、それぞれが思い描く幸せを手にいれる姿に考えさせられる。全8話と比較的短編で、一気に観たくなる作品だ。

チェ・ジョンヒョプは、短距離走の有名選手で、競技中の怪我で悩まされる学生イ・ギリョンを演じる。ある日偶然魔女食堂に辿り着き、お店でアルバイトをすることとなる。柔らかな空気の持ち主だが、強い芯を持ったキャラクターで、制服姿の彼の姿が新鮮だ。劇中では主人公をヌナと呼び、側で支える姿が印象的で、最終話でガラリと変化するシーンもぜひ見届けてほしい。

■『ストーブリーグ』

『ストーブリーグ』は、最下位の野球チームを立て直す運営スタッフにスポットを当てたヒューマンドラマ。野球未経験の凄腕ゼネラルマネージャーが、周囲を巻き込みながら球団の抜本的な改革に挑んでいく姿を描く。野球チームの裏側を描く作品だからこそ、野球に詳しくない方でもお楽しみいただける作品だと思う。「あなたはあなたのままで愛されている」「人生は自分次第で何度だってやり直せる」そんなメッセージ性のある作品で、どのエピソードも胸が熱くなる。

本作で若手投手ユ・ミンホを演じるのがチェ・ジョンヒョプだ。上手くボールを投げることができず、1人悩みを抱える選手を演じた。目の前の成績よりも仲間を信じて自分と向き合うことの大切さをチームから教えてもらい、少しずつ変化していく成長の過程が見どころの一つ。まだ初々しさのある彼の姿を観ることができる一作だ。

(文=韓国ドラマ好きのだらだら子)

© 株式会社blueprint