長崎市民総合プール移転先 当初案通り「陸上競技場」 再検討部会で委員反発 結論先送りに

 県が進める長崎南北幹線道路の整備に伴い、長崎市松山町の平和公園内にある市民総合プールと陸上競技場の再配置を話し合う再検討部会が7日夜、市内であり、市はプールの移転先を当初方針通り「陸上競技場が適当」との評価を示した。もう一つの候補地である中部下水処理場(茂里町)と比べ、経済性や交通アクセス面で優れると説明したが、委員から「論拠が不明確」などの意見があり、結論は先送りされた。
 南北幹線道路は同市と西彼時津町を結ぶ高規格道路で、平和公園周辺は高架橋やインターチェンジを整備する予定。同プールの大半や陸上競技場の一部が道路の整備ルートと重なるため、長崎市平和公園再整備基本計画検討委員会が施設の再配置を協議していた。
 市は当初、同プールを陸上競技場に移転する案を示したが、競技場利用者らが反発。昨年4月に就任した鈴木史朗市長が再検討する考えを示し、市は同7月、競技団体関係者らによる再検討部会を設置した。
 市は同プールの移転候補地を陸上競技場と中部下水処理場の2カ所に絞り、それぞれの場所での整備費用や、バス停や電停からの距離などを比較。この日の会合では、中部下水処理場での整備費用が地盤改良などに約27億円かかり、陸上競技場への移転案の約6~8倍に上ると説明。中部下水処理場はバス停などからの距離も遠いとし、総合的に陸上競技場への移転が適当とした。
 一部の委員から「整備費用約27億円の根拠が不明」「中部下水処理場が敷地面積が広く(移転先として)優位ではないか」「交通アクセスに差はないのではないか」などと意見が出た。市は「意見を踏まえて再検討する。次回会合で各候補地の課題や効果、将来性も踏まえて提示する」とした。次回は3月中旬以降に開く予定。

© 株式会社長崎新聞社