孫が「タンスに隠していた」札束を「破いて」遊んでいました……。破けた紙幣に紙幣としての効力はありますか?

破れた紙幣はそのまま使えるの?価値はどうなる?

破れてしまったお札はどう扱うべきか困るものです。そこで、ここでは破れたお札は使えるのか、価値はどうなるのか説明します。

・破れたお札はそのまま使えるの?

なかには「破れたお札をコンビニやスーパーなどのレジで使いたい」と考える人もいるでしょう。しかし、破れたお札をそのまま使うことは避けたほうが無難です。なぜなら、会計で破れたお札を使えるとは限らないためです。破れたお札は店舗により、受け取ってもらえない場合があります。

また、自動販売機やATMなどで使用することもおすすめできません。破れたお札を使うと切れ目が引っかかるなど、機械が故障するリスクがあります。このように、破れたお札をそのまま使うとトラブルが発生する可能性があることを念頭に置きましょう。

・破れた紙幣に価値はある?

それでは、レジやATMなどで使用できない、破れたお札にはお金としての価値がなくなってしまうのでしょうか。実は、破れたお札は必ずしもその価値が失われるというわけではありません。

お札を発行する「日本銀行」ではこうした「損傷銀行券」における基準があります。法令等で定める基準に基づき、新しいお札に引き換えることが可能です。したがって、破れた紙幣はそのままにせず、交換することがおすすめです。

お札の交換基準とは?

破れたお札は日本銀行で新しいお札に交換できます。しかし、すべてのお札が交換できるわけではなく、状態によっては引換えが難しい場合もあるため注意が必要です。日本銀行の判断基準によると「お札の面積が3分の2以上の場合は全額として引換え」「面積が5分の2以上、3分の2未満の場合は半額として引換え」としています。

なお、「銀行券の紙片が2以上ある場合において、各紙片が同一の銀行券の紙片であると認められるときは、各紙片の面積を合計した面積をその券面の残存面積として、上記の基準を適用します」と示しています。

つまり、一定の面積が残っているお札が交換対象であり、その残存面積によって交換できる金額が変わるということです。たとえば、お札の端が少しだけ破けている場合などは、元の金額と同じ紙幣と引換えできる可能性が高くなります。

一方、お札が半分に破けて片方を紛失している場合、交換できるのは半額となるでしょう。また、上記の条件を満たさず「面積が5分の2未満の場合は銀行券としての価値は無く失効」とされています。まずは交換できる状態か、手元のお札を確認してみましょう。

破れたお札を交換する方法

それでは、破れたお札は実際にどのようにして交換するのでしょうか。ここでは、破れたお札を交換する方法を紹介します。

・破れたお札を交換する方法

破れたお札は、日本銀行の本支店で交換を受け付けています。損傷したお金の交換業務を行う本支店は全国にあるため、自宅近くの窓口に足を運ぶとよいでしょう。なお、当日スムーズに交換するために、事前予約をすることがおすすめです。あらかじめ窓口に連絡・相談し、予約を済ませておきましょう。

・破れたお札を交換する際の注意点

お札の交換は法令等で定めた基準と照らし合わせて判断する必要があり、それなりの時間がかかります。時間に余裕を持って行動しましょう。また、損傷したお札の引き換え依頼は、原則郵送では受け付けていません。窓口に足を運ぶ必要がある点に留意しましょう。

破れたお札は状態によって交換可能!まずは状態の確認を

破れたお札は価値がなくなるとは限りません。お札の状態によっては、日本銀行の本支店の窓口で新しい紙幣と交換できる場合があります。まずは手元のお札の状態を確認し、最寄りの本支店の窓口に相談してみましょう。

ただし、お札は交換できるからといって、粗末に扱ってよいものではありません。大切なお金を交換せずに済むよう、適切に扱うよう心がけましょう。

出典

日本銀行 日本銀行が行う損傷現金の引換えについて
日本銀行 損傷したお金の引換え窓口
日本銀行 損傷銀行券の引換基準

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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