SUBARU、今期営業益300億円上振れ 円安・売上構成改善が寄与

Maki Shiraki

[東京 8日 ロイター] - SUBARUは8日、2024年3月期の連結業績予想(国際会計基準)について利益を上方修正した。営業利益は前年比68.2%増の4500億円となる見通し。従来の4200億円から300億円上振れる。円安による増益効果や売上構成の改善が寄与する。

修正後の営業利益予想は、IBESがまとめたアナリスト15人の予測平均値4383億円を上回る。

今期の前提為替レートは1ドル=143円(前回は140円)、1ユーロ=154円(同150円)へと円安方向に見直した。

営業利益は前回予想に対し、為替の影響が359億円、売上構成差などが283億円それぞれ押し上げる。

今期の完成車販売計画は98万台と従来の101万台から3万台減らした。国内など一部地域の販売見通しを引き下げたほか、北米以外での足元の販売在庫状況やカナダ向け車両の輸出遅延を織り込んだ。4─12月期の販売実績は73万6000台と前年同期から10万台伸びた。主力市場の北米販売が好調だった。

<EV成長の踊り場は想定済み>

世界的に電気自動車(EV)の成長鈍化がみられる中、江森朋晃専務執行役員は決算会見で、戦略を公表した当初からEVの成長は「いったん踊り場があるだろうと想定していた」と指摘。「スピード感は多少揺れがあるのかなという感触を持っている」と述べた。

27年から28年の稼働開始を目指して検討中の米国におけるEV生産拠点については「大きな考え方としては変わってない。中身をどういう形にするか、規模をどうするかを今議論している最中」と述べた。同社は30年に米国でEV販売40万台を計画している。

米大統領選ではEV推進や気候変動対策などで現バイデン政権とは真逆の考えを持つトランプ氏の再選の可能性が取り沙汰されているが、「米国を主体にビジネスをやっている以上、いろいろなリスクを認識した上でやっている」と語り、市場の変化に応じて「柔軟性を持って対応することも併せてやっている」と話した。

(白木真紀)

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