インド中銀、予想通り6会合連続金利据え置き 制約的政策を維持へ

Swati Bhat Sudipto Ganguly

[ムンバイ 8日 ロイター] - インド準備銀行(中央銀行)は8日、主要政策金利のレポレートを6.5%に据え置いた。据え置きは予想通りで6会合連続。

中銀はインフレ目標(4%)の達成に向けた「ディスインフレの最後の1マイル」に注力すると表明。景気は引き続き底堅く、利下げはまだ先になる可能性がある。

中銀は2022年5月から23年2月までの間に合計250ベーシスポイント(bp)の利上げを行った。

金融政策委員会は引き続き「緩和の解除」に焦点を当てると表明。制約的な金融政策を維持する意向を示唆した。

ダス総裁は声明で、積極的なディスインフレ政策を続けなければならないとし、「ディスインフレの最後の1マイルは常に最も困難だ。その点に留意する必要がある。4%の安定した低インフレが持続可能な経済成長に必要な岩盤を提供する」と述べた。

6人の委員会メンバーのうち5委員が金利決定と「緩和の解除」という金融政策スタンスに賛成した。1人は25bpの利下げと中立スタンスを支持した。

市場関係者は利下げが24年下半期以降になると予想。

HDFCバンクのプリンシパルエコノミスト、サクシ・グプタ氏は「24─25年第1・四半期にスタンスを変更し、第2・四半期までに利下げ局面を開始する可能性が高い。ただ、中銀はインフレを警戒しており、利下げが遅れる可能性が高まっている」と述べた。

中銀は24─25年の経済成長率を7%と予想した。

インドの指標債券利回りは決定発表後に上昇。一方、株式市場は下落し、ルピーはほぼ変わらず。

ダス氏は、不透明な世界環境の中、インド経済はここ数年「際立って好調」だと指摘。成長率は大方の予測を上回っており、インフレ率は低下傾向にあるとした。

中銀は23─24年の消費者物価伸び率を5.4%と予測しており、前回予測から変更はなかった。同氏によると、来年については通常の雨量を想定した場合、4.5%になる見通し。

インフレ率は中銀の目標4%を依然として上回っているが、コアインフレの持続的な鈍化と財政的に穏健な予算により、インフレ軟化期待が高まっている。

© ロイター