なぜ国家によって同性愛は禁止されたのか? ドキュメンタリー映画「ナチ刑法175条」予告

2024年3月23日より劇場公開される、2000年のベルリン国際映画祭で最優秀記録映画賞を受賞したドキュメンタリー映画「ナチ刑法175条」の、予告編が公開された。

予告編では、かつてドイツで施行されていた「刑法175条」により、実際に弾圧された人々の生々しい証言と、当時の写真などのアーカイブフッテージが、緊張感を醸し出す音楽とともに映し出され、「なぜ、男性同性愛愛者が迫害の対象となったのか?」という、これまで語られることのなかった歴史を描いた作品であることがわかる。

「ナチ刑法175条」は、ドイツでかつて施行されていた同性愛者を差別する「刑法175条」により、特にナチ支配下で男性同性愛者が弾圧されていた事実を、6人のゲイとひとりのレズビアンによる証言を通して描いたドキュメンタリー映画。同法により約10万人が捕まり、1万から1.5万人が強制収容所に送られ、強制労働や医学実験に使われた。生存者はおよそ4000人で、本作製作時に生存が確認出来たのはわずか10名に満たなかったという。

監督は、1985年にアカデミー賞を受賞した「ハーヴェイ・ミルク」のロブ・エプスタインと、同作のスタッフだったジェフリー・フリードマン。ナレーションは、自らもゲイであることを公表しているイギリス人俳優のルパート・エヴェレットが担当している。2023年7月に刑法175条を題材にした劇映画「大いなる自由」公開の際に、「刑法175条」のタイトルで特別上映された。今回は、新たに開発されたデジタル・リマスター版による上映となる。

【作品情報】
ナチ刑法175条
2024年3月23日(土)~新宿K‘s cinemaほか全国順次公開
配給:パンドラ

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