中国海南省、生物多様性保全計画を発表 劣化生態系の3割回復へ

中国海南省、生物多様性保全計画を発表 劣化生態系の3割回復へ

海南省儋州(だんしゅう)市の海南新盈マングローブ国家湿地公園で羽を休めるクロツラヘラサギ。(2023年12月27日撮影、海口=新華社記者/張麗蕓)

 【新華社海口2月8日】中国海南省はこのほど発表した2023~30年の生物多様性保全戦略・行動計画で、30年までに劣化生態系の3割を回復させ、自然海岸線の保全率を63%以上で安定させる方針を打ち出した。

 30年までに陸域生物多様性の基礎調査を終え、全省を網羅する生物多様性観測ネットワークと管理プラットフォームの構築を概ね完了させる。陸地・内陸水域と沿海・海域の3割を効果的に保護、管理する。

中国海南省、生物多様性保全計画を発表 劣化生態系の3割回復へ

海南熱帯雨林国家公園吊羅山片区(エリア)に生息するアカガエル科ハイララナ属のカエル「シルビラナ・スピヌロサ」。(2023年6月13日撮影、海口=新華社記者/楊冠宇)

 同省の今回の措置は、中国が生物多様性条約を履行する上での地方事例となる。30年の実現を目指す世界目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組」を推進する上でもモデル的、けん引的役割を果たす。

中国海南省、生物多様性保全計画を発表 劣化生態系の3割回復へ

海南熱帯雨林国家公園の五指山片区(エリア)。(2022年5月19日撮影、海口=新華社記者/胡智軒)

 海南省は中国で最も保全状態が良く、連続面積が最大の大陸性島しょ型熱帯雨林を持つ。世界に34カ所ある生物多様性ホットスポットの一つであり、深刻な絶滅の危機にある霊長類カイナンテナガザルの唯一の生息地でもある。中国に5カ所ある国家公園の一つ、海南熱帯雨林国家公園では現在、暫定的な統計として高等植物4367種、野生脊椎動物651種が確認されている。(記者/陳凱姿)

© 新華社