午後3時のドルは148円半ば、日銀副総裁発言後に円全面安

Shinji Kitamura

[東京 8日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場終盤から円安が進み148円半ばで推移している。日銀の内田真一副総裁がこの日、マイナス金利の解除後も緩和的な金融環境を維持する考えを示したことで、円が全面的に売られた。

ドルは朝方の147円後半からじり高基調が続き、午後3時過ぎには一時148.70円まで上昇。今月5日につけた2カ月ぶり高値148.90円へ迫った。

内田副総裁は午前、マイナス金利を解除しても「どんどん利上げをしていくようなパスは考えにくい」と発言。「日本の状況を欧米のアナロジーで考えることには少し無理がある」とも述べ、緩和的な政策の必要性を強調した。

円は対ドル以外でも広範に下落した。ユーロは午前の159円半ばから160円前半へ、スイスフランも前日につけた1カ月ぶり安値の169円前半から170円前半へ切り返した。

円の下落過程では、日本株の急速な上昇も話題となった。「日本株へ投資している海外投資家が、株高を受けて為替ヘッジの円売りポジションを積み増している」(外銀アナリスト)という。

財務省によると、今年1月の海外勢の日本株投資は、差し引き2兆8489億円の買い越しで、昨年4月以来9カ月ぶりの高水準となった。

この日の東京株式市場では、日経平均が一時800円を超える上昇となり、終値で3万6863円28銭と34年ぶり高値を更新した。

ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時現在 148.58/148.63 1.0782/1.0784 160.22/160.23

午前9時現在 148.08/148.09 1.0774/1.0778 159.58/159.59

NY午後5時 148.18/148.19 1.0771/1.0775 159.60/159.64

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