「危機感足りないのでは」 群馬・山本知事が自民党に苦言 前橋市長選敗北で

山本一太知事

 自民党、公明党が推薦した現職が敗れた群馬県前橋市長選について、山本一太知事は8日の定例記者会見で「自民党本部は危機感が足りないんじゃないか」と指摘した。同市長選では元県議で無所属新人の小川晶氏(41)が、山本知事が支援した現職の山本龍(64)氏=自民・公明推薦=を破った。

 自民党への逆風が市長選に影響したか問われた山本知事は、選挙後の党のコメントに言及。同じ日に投開票された京都市長選で自民、立民などの推薦候補が勝利したことに触れた一方、前橋市長選には触れていないとして「危機感が足りないんじゃないか」と述べた。

 前橋市長選は単純な保革対決ではなかったとしつつ、「いまだかつてこういう体制で(与党系候補が)負けたことは一回もない。県連としても党本部としても重く受け止め、もっと危機感を持っていただきたい」とも述べた。

 前橋、京都両市長選が行われた4日、 自民党の小渕優子選対委員長は京都市長選で「勝利した意義は大きい」などとするコメントを出している。この点を問われた山本知事は、「小渕優子さんを批判するつもりは全くない。もうちょっと全体的に危機感を持ってほしい」とした。

 新市長となる小川氏については「前橋市民の民意であり、ぜひ頑張っていただきたい」と述べ、市との関係を引き続き重視する考えを示した。山本市政が進めたデジタル化などの施策の継続にも期待を示した。

© 株式会社上毛新聞社