藻場を食い荒らし、海の幸が育たたなくする「ムラサキウニ」。
中身もスカスカで文字通り厄介者でしたが、8日、鳥取県湯梨浜町の小学校で「ウニ給食」として提供されました。駆除したウニを地元で養殖し、おいしい食材に生まれ変わりました。
全校児童116人が、みんな集まって給食を食べる鳥取県湯梨浜町の泊小学校。
今日のメニューはウニとサザエ、それにワカメと海の幸たっぷりの「藻場の恵みご飯」です。
使われているムラサキウニ。数年前から鳥取県沿岸で大量発生していて、実はちょっと厄介なウニなんです。
ムラサキウニは温暖化により海水温が上昇して大量発生。海藻の新芽などを食べつくしてしまうため、海藻をエサとするアワビやサザエが激減してしまうほか、「藻場」が無くなり、魚が住めない「磯焼け」の海底を広げてしまいます。
沿岸では、サザエなどが育たなくなる影響も広がりました。
ウニは高級食材なのでは…?と思いきや、駆除したムラサキウニはスカスカで食用には向かないとされていました。
こうしたなか、日本財団の「海と日本プロジェクト」として、鳥取県漁協などがキャベツやブロッコリーをエサに地元で養殖に取り組み、おいしい食材に育てあげたのです。
子どもたちも地元で育ったウニやサザエを味わっていました。
児童は
「すごくおいしいです」
「おいしかったです。(ウニがわかりましたか?)はい」
泊小学校の5年生はウニと豊かな海について学んできました。
今日は「大量発生したウニは、藻を奪い合うからスカスカだけど、きちんと育てればおいしいウニになる」と発表し、給食も一際味わい深くなりました。
ウニについて学んできた5年生
「(ウニの養殖などについて)みんなに知って欲しいと感じています」
豊かな海を守る心が、大人から子供へと受け継がれていくウニ給食となりました。