インテュイティブ・マシーンズ、月着陸ミッション「IM-1」の打ち上げを2024年2月14日以降実施 民間初成功なるか

アメリカの民間宇宙企業インテュイティブ・マシーンズ(Intuitive Machines)は、同社初の月着陸ミッション「IM-1」の打ち上げを日本時間2024年2月14日14時57分(米国東部標準時同日0時57分)以降複数日のウィンドウ内に実施すると発表しました。

【▲ ファルコン9ロケットのフェアリングに格納される月着陸船「Nova-C」(Credit: Intuitive Machines/SpaceX)】

IM-1ミッションは同社が開発した月着陸船「Nova-C」による初の月着陸ミッションです。着陸船は「Odysseus(オデュッセウス)」と命名されており、アメリカ航空宇宙局(NASA)の商業月輸送サービス(CLPS)の下で選定された5つのペイロードとNASAの6つのペイロードを搭載しています。Nova-Cが着陸に成功した場合、インテュイティブ・マシーンズは月面着陸に成功した初の民間企業となります。

IM-1ミッションのNova-Cは米国フロリダ州のケネディ宇宙センター39A射点からスペースXの「ファルコン9」ロケットで打ち上げられます。インテュイティブ・マシーンズの2024年2月5日付の発表によると、Nova-Cは打ち上げに向けた準備が完了し、ファルコン9のフェアリングに格納されたということです。

着陸目標地点は月の南極域にあるマラパートA・クレーター(Malapert A)です。NASAによると、Nova-Cは発射約50分後にロケットから分離されて月へ向かう軌道に乗り、打ち上げから約7日後に月周回軌道へ入ります。2月14日から始まるウィンドウ内に打ち上げられた場合、Nova-Cは2024年2月22日に着陸し、月面で約10日間運用される見込みです。

【▲ ファルコン9ロケットのフェアリングに格納される月着陸船「Nova-C」(Credit: Intuitive Machines/SpaceX)】

NASAのCLPSはアメリカの民間企業によって開発されたペイロードをNASAが募集し、月面まで輸送する官民連携の仕組みです。NASAが推進する有人月面探査計画「アルテミス」は民間企業や国際協力によって進められることに重点が置かれており、特にCLPSでは将来の有人月面探査で必要となる技術の実証や月面に埋蔵されていると考えられている水の探査が行われます。

関連記事:インテュイティブ・マシーンズ、月着陸ミッション「IM-1」の打ち上げは2024年1月12日以降に 目標は月南極域のクレーター(2023年11月10日)

Source

  • Intuitive Machines \- Intuitive Machines Lunar Lander Encapsulated and Scheduled for Launch
  • NASA \- NASA Sets Coverage for SpaceX, Intuitive Machines First Moon Mission
  • NASA \- Intuitive Machines IM-1 Mission press kit
  • SpaceNews \- First Intuitive Machines lunar lander mission set for Feb.14 launch

文/出口隼詩 編集/sorae編集部

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