ACSLの国産ドローンSOTEN(蒼天)が進化。アップデートにより送電線や鉄塔付近での操作性向上

ACSLは、2021年12月にセキュアな小型空撮ドローン「SOTEN(蒼天)」の受注を開始。インフラ点検、災害時の状況把握、測量、警備、農業などあらゆる分野で活用されている。

ACSLは、SOTENユーザーからのフィードバックをもとに、受注開始から複数回のファームウェアのアップデートすることで機能や性能などの改善を行っている。

進化1:送電線や鉄塔付近での操作性が向上

送電線や鉄塔の点検は、熟練した作業員による高所での目視点検が主流となっており、点検にかかる労力や安全面の問題から、ドローンの活用が積極的に行われている。

送電線や鉄塔付近では、電気の流れる方向が周期的に変化する交流磁界が発生することでドローンが正しい方角を認識できなくなり、機体を制御できなくなるという課題があった。SOTENはこの課題を改善し、送電線や鉄塔付近での操作性が向上した。

進化2:映像の伝送速度を段階的に向上

ドローンは、飛行中に撮影した映像をリアルタイムで伝送することができ、インフラ点検時にその場で点検個所を確認したり、災害時の被災状況を迅速に把握したりすることに活用されている。SOTENは、障害物や電波干渉がない場合の最大伝送距離は4kmというスペックを持ち、さらに今回のアップデートを含め、今後映像伝送速度を段階的に向上していくことで、より利活用しやすいドローンを目指すとしている。

実際の災害現場で、伝送された映像を基地局アプリ「TAKEOFF」で確認している様子

進化3:基地局アプリ「TAKEOFF」の多言語版開発

ACSLは、2023年11月13日付でSOTENの米国への輸出に関する経済産業省からの輸出許可証を受領、2023年12月に米国子会社であるACSL, Inc.が戦略的代理店パートナーシップに関するMOUを締結したGeneral Pacific, Inc.に50機を納品し、米国におけるSOTENの販売を開始した。

https://www.drone.jp/news/2023122611352978882.html

今回のアップデートで、米国のユーザー向けに基地局アプリ「TAKEOFF」の米国版を開発した。ACSLは海外展開を積極的に進めており、今後も各地域のユーザーが活用できるよう多言語版の開発を進めている。

米国に輸出されたSOTEN

SOTEN(蒼天)

SOTENは、高性能・高セキュリティな小型ドローンの開発を目的とした、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)公募の「安全安心なドローン基盤技術開発」事業により完成したドローンで、ISO15408(コンピュータセキュリティのための国際規格)に基づくセキュリティ対策を施し、データの漏洩や抜き取りの防止、機体の乗っ取りへの耐性を実現していることが特徴。

国産のセキュアなドローンであることから、すでにインフラ点検、災害、測量などの分野で活用されている。

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