「総理大臣が言っていることが理解できない」 島根県の丸山知事 子育て支援金の負担を賃上げで賄う政府方針を批判

島根県の丸山達也知事

 少子化対策の財源確保のために公的医療保険料に上乗せして徴収する「子ども・子育て支援金」の負担を、賃上げ分などで賄うという政府の考えについて、島根県の丸山達也知事が8日の定例会見で「理屈が分からない。総理大臣が言っていることが理解できない」とかみついた。

 厚生労働省が発表した2023年の毎月勤労統計調査で、物価変動を考慮した実質賃金は前年比2.5%減で2年連続のマイナス。賃上げにより家計に余裕が生まれているとは言いがたく、丸山知事は「賃上げが進んだと言われているが、実質賃金はマイナスだ。(賃上げで負担を賄うために)マイナス2.5%をプラスにするめどが立っているとは思えない」と批判した。

 1人当たり月平均500円弱とする負担額の試算は「個々人では違うかもしれない。賃上げの数字が平均値より低い人はマイナスになることを含意している」とし、そもそも論として「負担は増えるけど、子育て支援をやっていこうという話だったはずだ」と首をかしげた。

 1日に都内であった経団連と連合のトップ会談にも触れ「経団連の傘下に入っていないところ、連合のように労働組合が結成できないところが、賃上げができていない。部外者が集まって会議しても賃上げは進まない」と述べた。

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