中国のアウトバウンド市場は2023年に「全面回復」―中国メディア

中国の2023年のアウトバウンドは前年比で550%増と激増した。写真はタイ。

2023年、中国人観光客は世界の観光市場に新たな原動力をもたらした。旅行サイト・携程網のデータによると、同年、中国のアウトバウンドは前年比で550%増と激増した。アウトバウンドの急速な回復は、大型連休の期間に特に際立ち、同年の中秋節(旧暦8月15日)と国慶節(建国記念日、10月1日)に合わせた8連休には前年同期比8倍増となった。また、2024年の元日に合わせた3連休にもアウトバウンドが前年同期比で約4倍となり、国際線の飛行機チケットの予約数が前月比で11%増、前年同期比で265%増となった。さらに、春節(旧正月、2024年は2月10日)を前に、アウトバウンドが予想以上の急激な伸びを見せている。携程網のデータによると、1月中旬の時点で、春運(春節<旧正月、2024年は2月10日>期間の帰省・Uターンラッシュに伴う特別輸送体制)期間中の国際線の飛行機チケット予約が前年同期比で460%増と激増した。

旅行会社の天天假期の関係者は、周辺の東南アジア諸国から北米や欧州などの旅行先に至るまで、広い範囲で回復の勢いを見てとれるとしている。

ビザ緩和措置実施国が人気の海外旅行先に、ニッチなアクティビティも人気

東南アジア旅行も予想以上の急激な伸びを見せている。携程網のデータによると、2023年において中国で人気となった海外旅行先トップ10はタイ、シンガポール、日本、韓国、マレーシア、米国、オーストラリア、英国、ベトナム、インドネシアだった。東南アジアが依然として、中国の消費者の間で人気の高い海外旅行先となっている。同年、タイ旅行に行った中国人観光客は前年比11倍増となった。また、シンガポール旅行が前年比528%増、マレーシア旅行が同比11倍増、ベトナム旅行が同比817%増、インドネシア旅行が同比616%増となった。

査証(ビザ)緩和措置がアウトバウンド市場の予想を超える伸びを後押ししている。伸び幅が最も大きくなっているのはチュニジアとジョージアだ。年間統計を見ると、2023年、ジョージア旅行に行った中国人観光客は前年比553%増、2019年比で129%増となった。チュニジア旅行は前年比347%増で、2019年の50%にまで回復した。旅行サイト・途牛旅游網のプラットフォームのデータによると、エジプトやニュージーランド、イラン、アラブ首長国連邦といった国およびコーカサス諸国が2023年のアウトバウンド市場の「ダークホース」となった。海外でのドライブ旅行を見ると、北米や中東、アフリカ、南米などのニッチな場所を選ぶ観光客が増加している。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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