昭和37年12月生まれの61歳の女性です。働いたことがなく、結婚以来専業主婦ですが、特別支給の老齢厚生年金はもらえますか?

年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。今回は、働いたことがない専業主婦は特別支給の老齢厚生年金を受給できるのかについてです。

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。 今回は、働いたことがない専業主婦は特別支給の老齢厚生年金を受給できるのかについてです。

Q:現在61歳の女性。働いたことがなく、結婚以来専業主婦ですが、特別支給の老齢厚生年金はもらえますか?

「昭和37年12月生まれの61歳の女性です。働いたことがなく、結婚以来専業主婦ですが、特別支給の年金はもらえますか」(かうちゃん)

A:働いたことがなく、厚生年金の加入期間がなければ、特別支給の老齢厚生年金はもらえません

老齢厚生年金は厚生年金に1カ月以上加入したことがあるなど条件を満たした人が、原則65歳からもらえるものです。老齢厚生年金を受給できる人の中で、さらに一定の要件を満たした人は、65歳になる前に、特別支給の老齢厚生年金を受給できます。 昭和60年の年金制度の改正によって、老齢厚生年金の受給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられました。それに伴い、受給開始年齢の引き上げをスムーズにするため、段階的に年金を受け取れるように特別支給の老齢厚生年金制度が設けられました。 特別支給の老齢厚生年金をもらえる人は、次の要件を満たす人になります。 ●男性:昭和36年4月1日以前生まれの人 ●女性:昭和41年4月1日以前生まれの人 ●老齢基礎年金の受給資格期間(10年)を満たしている人 ●厚生年金保険等に1年以上加入していた人 ●生年月日に応じた受給開始年齢に達している人 特別支給の老齢厚生年金をもらうには、厚生年金に1年以上加入したことがあるなどの要件を満たす必要があります。 厚生年金に加入できるのは、会社員や公務員などで、企業などで働いている人が加入できる保険制度です。相談者は働いたことがないとのことですので、厚生年金の加入期間がないと思われます。つまり、特別支給の老齢厚生年金はもらえません。 監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー) 都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。 (文:All About 編集部)

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