「大平ハプニング解散」の再現? 文科相不信任案浮上で懸念も 自民議員にもちゅうちょ感薄く

国会(資料写真)

 盛山正仁文部科学相の不信任案が浮上した国会では採決大量欠席で起きた44年前の「大平ハプニング解散」の再来を懸念する声も上がっている。当時は内閣への造反だが今回は1閣僚が対象となりそうで、自民議員の間では「義はわれにあり」と欠席へのちゅうちょ感は薄い。「議員だって人間だし急におなかが痛くなるかもしれない」(安倍派関係者)との声も聞かれ、他派に厳しく自派はかばう岸田文雄首相のダブルスタンダードへの反発は強まるばかりだ。

 「記憶にございません」。8日の衆院予算委員会で立憲民主党の藤岡隆雄氏から世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体の選挙支援推薦状に署名したかを問われた盛山文科相は「知らない」「分からない」との見解を繰り返した。委員会室からは「今更ロッキード(事件)じゃあるまいし」とのやじ。過去の自民の調査で明らかにしなかった面会について週刊誌に報道された林芳正官房長官も「面会したと思われる」と記憶外を強調した。

 2人とも岸田首相が会長を務めた派閥所属。その続投を巡り政府関係者は「旧統一教会との関係が明らかになるたびに大臣を更迭していたら旧統一教会が内閣の主導権を握ることになってしまう」と嘆く。野党は「そもそもそんな内閣しか組めない政党に政権を担う資格はない」(立憲民主党幹部)と意気盛んだ。

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