まもなく“春節” 札幌には早くも海外からの観光客の姿が…目指すは「定山渓温泉」 しかし…路線バスが大混雑で地元利用客が乗れない! 札幌市の対策は?

まもなく中華圏の旧正月「春節」を迎えます。早くも北海道内では海外からの観光客の姿が目立ちます。路線バスが大混雑するなどの影響も出ています。2月10日から中華圏の旧正月「春節」が始まります。

交通機関が大混雑

それを前に中国国内では、すでに交通機関が大混雑。中国政府によると過去最多の延べ90億人が大移動する見通しです。「東京と北海道に行く」(日本に旅行する人)「以前、日本に行って楽しかった。雪を見に行きたい」(日本に旅行する人)そして、北海道札幌市では。「もう、路線バスの車内はぎゅうぎゅうですね。乗り込む場所はあるのでしょうか」(関根 弘貴 記者)

定山渓にはたくさんの外国人観光客

札幌市中央区の繁華街「ススキノ」から路線バスに乗り込むのは、大勢の外国人観光客。行き先は。「ジョウザンケイ!」(海外からの観光客)「定山渓温泉に行く。温泉は最高」(海外からの観光客)札幌市の奥座敷「定山渓温泉」。今や訪れる人の9割が海外からの観光客だといいます。2023年12月には、訪問客がコロナ禍以前の水準に戻りました。「素晴らしい。感激した」(台湾からの観光客)「私たちはここが大好き」(台湾からの観光客)「たくさんの雪がきれいでロシアみたい」(ロシアからの観光客)日本人観光客があまり訪れない公園で、雪景色を満喫していました。

降車専用のドアから乗車する様子も

「コロナ禍前のインバウンドは団体が多かった。今はほとんど家族連れで、3~4人のグループ」(定山渓温泉飲食店組合 奥島 尚 組合長) 個人客が増えたため、移動手段に路線バスを利用する人が増えたとみられます。その結果、混雑が増しているのです。混雑のあまり、停留所では本来降車専用のドアから乗車する光景も。

地元の利用客が乗車できない「乗り残し」も

札幌駅から定山渓温泉に向かう約70人乗りのバス。途中の石山地区の停留所では。「満員ですので次便をご利用ください」(バスの運転手)「もう乗れないって…」(バスの利用客)地元の利用客が乗車できない「乗り残し」が発生していました。「次のバスと言っても1時間に1本しかないですからね。困ります」(地元の利用客)日帰り入浴が外国人観光客に人気の「豊平峡温泉」でも、路線バスの運行に懸念を抱いています。

外国人観光客でいっぱい 路線バスに乗れない市民も…札幌市の対策は?

政治的な対策が必要

「満員で乗れないと、毎日のように聞いている。今は1時間に1本だが、2本になればより多くの客を案内できるので、増便をお願いしたい」(豊平峡温泉 馬場 順平 支配人)路線バスを運行する「じょうてつバス」は、以前は観光シーズンに増便していましたが、現在は運転手不足で難しいといいます。観光業界では海外からの観光客の復活に期待する反面、戸惑いの声も上がっています。「観光客がようやく戻ってきてくれたのはありがたいが、札幌市としての政治的な対策が必要になる」(定山渓温泉飲食店組合 奥島 尚 組合長)北海道にあこがれ、地元経済にも貢献する海外からの観光客。いま受け入れ体制が問われています。

”乗り残し”問題について 札幌市は「対策を検討しているといえる段階にない」

札幌市南区では真駒内駅を中心とする路線バスの減便が発表されたばかり。その一般路線にこうした観光客が押し寄せています。行政は対策をとっているのでしょうか。札幌市に問い合わせたところ「乗り残しがあることにっいては認識しているが、どこで起こっているか詳細を把握しきれていない」と回答しました。対策が必要ではないかとの問いについては「対策を検討しているといえる段階にない」と回答。市民としては不安を抱えるばかりです。

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