超絶の技が生み出す作品世界 岡山・ホキ美術館名品展IIが終盤

極限まで対象に迫った写実絵画の優品が並ぶ会場

 極限までリアルさを追求した写実絵画の優品が集う「ホキ美術館名品展II」(山陽新聞社など主催)は12日まで。会場の岡山シティミュージアム(岡山市北区駅元町)には8日も美術ファンらが訪れ、超絶の技が生み出す作品世界に浸っていた。

 同ミュージアムで20年に開いた「名品展」に続く第2弾。写実絵画を専門に扱うホキ美術館(千葉市)が所蔵する約500点から62点を厳選して並べた。

 塩谷亮さんの「青昏」は、日没後の海辺の情景と女性の愁いを帯びた表情とが相まって神秘的な雰囲気を醸し出す。青木敏郎さんの「アルザスの村眺望」は、欧州の伝統的な街並みとブドウ畑が丁寧に描写され、ひとときの旅気分を味わわせてくれる。

 いてついた木々が朝日を浴びて輝く原雅幸さんの「冬のアンジェリカ」が気に入ったという来場者(68)=広島市=は「緻密な描写の奥に画家の感動が息づいているようで、引き込まれました」と話していた。

極限まで対象に迫った写実絵画の優品が並ぶ会場
極限まで対象に迫った写実絵画の優品が並ぶ会場

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