格闘技経験のないVRゲーマーはリアル拳闘で道場生に勝てるのか? ゲームで3年鍛えた映像制作の社長が小中高生に挑んだ 南さつま

リングでボクシングのVRゲームをする道場生=南さつま市加世田武田のタイムキックドージョー

 仮想現実(VR)のゲームで練習すればボクシングができるようになるか-。そんな検証企画が鹿児島県南さつま市の坊海竜タイムキックドージョーであった。ゲームで3年間鍛えた格闘技経験のない男性が、道場に通う小中高校生とリングでリアル対戦。道場生たちはVRゲームも初体験し想像以上のハードな動きに驚いた。

 VRと現実を融合させるXR(クロスリアリティー)の普及を目指す技術者らのグループ「XR Meetup Kagoshima」が企画。鮫島歩共同代表(31)=南九州市=らが準備し1月27日にあった。

 リングに初めて上がる映像制作会社の佃永喜社長(45)=鹿児島市=がまずはゲームを実演。道場の5人もヘッドマウントディスプレーを着用し挑戦した。最後はリアル対戦。道場生は手加減しつつ応戦、ゲームで覚えたという佃さんの動きやパンチに感心した。

 グローブ空手の全国大会で2度の準優勝経験がある加世田小6年の前原絆斗君は「ゲームは距離感が難しく息も上がった。いいトレーニングになった」。道場の谷川雄仁代表(39)は「佃さんはパンチの上下左右打ち分けができていた。VRはケガがなく試合前の練習にもいい」と評価した。

 佃さんは「少しはできるなと認めてもらい自信がついた。VRでボクシング入門へのハードルが下がるのではないか」と期待した。

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